アデトクンボを始め主力の出場時間を制限しても132-94の大勝
開始4分、トビアス・ハリスの不用意なパスがヤニス・アデトクンボに奪われ、そのままワンマン速攻で豪快なダンクを決められた時点で、この日のシクサーズには勝ち目がないように思われた。前半は離されることなく、後半最初の数分で54-55と1点差まで競ったのだが、その後は力の差を見せ付けられた。最終スコアは94-132の大敗だった。
セブンティシクサーズとバックス、東カンファレンスのトップを争う両チームが3日で2試合を行う連戦は、シクサーズのコンディション不良ばかりが目立つ試合となった。ベン・シモンズは体調不良で2試合とも欠場。指揮官のドック・リバースは初戦を落とした時点で「コロナのような深刻なものではないが、次の試合で戻って来れるかどうかは微妙なところだ」と語っていた。シモンズの欠場は覚悟していただろうが、肩の痛みを押してプレーしていたジョエル・エンビードまで欠場するとは予期できなかったはず。バックスのエース、アデトクンボは4月前半を休養にあてて100%に近いコンディションだから、止めようがなかった。
チームには良い時期と悪い時期が交互に訪れる。この連戦のタイミングでは、バックスが良い時期にあり、シクサーズはその逆だった。アデトクンボはそれを理解しているから、24分しか出場する必要がなく、それでも24得点14リバウンド7アシストと十分すぎるほどのスタッツを記録した試合の後でも勝利を誇るのではなく、「これからも努力を続けないといけない」と語る。
「僕らがやっているのは短距離走ではなくマラソンなんだ。自分を信じて、スキルを磨かなくちゃならない。幸いにも僕は、素晴らしいチームメート、コーチングスタッフに恵まれている。これは努力が報われたということだろうけど、さらに前に進むんだ」
アデトクンボは第3クォーター残り3分、78-59とリードした場面でベンチに下がった。主力全員がプレータイムを抑えても余裕の勝利で、マイク・ブーデンホルザーは「リードを保って第4クォーターを進められたのは大きかった。今日は昼間の早い時間の試合で、重い時間帯をプレーせずに済んだことで、余力を持って次の試合に臨むことができる」と、消耗を抑えての勝利を喜んだ。
こうした余裕のコメントができるのは、2試合いずれも快勝したバックスだからだ。ドック・リバースは「勝利には超人的な力が必要だ。スケジュールが発表された時点で、すぐにバックスの日程も確認した。我々は前日にサンズと戦うのに、相手は2日間の休養があった。正直に言えば、この時点でがっかりしたよ」と失望を隠さない。これでレギュラーシーズンのバックス戦は3戦全敗。3月にオーバータイムの末に敗れた試合もエンビードが欠場していた。この借りを返すことができるとしたら、プレーオフでの対戦が実現した時となる。