マーク・キューバン

ドンチッチ「プレーインという考えは理解できない」

今シーズンのNBAは昨シーズンと同様にプレーイントーナメント方式が採用された。これはレギュラーシーズン終了時点で各カンファレンスの勝率が7位から10位までのチームが第7シードと第8シードを懸けて戦う短期のトーナメントだ。

本来であればプレーオフに出場できない9位と10位のチームにとっては喜ばしい仕組みだ。しかし、7位と8位のチームとしては納得できない部分もあるだろう。マーベリックスのルカ・ドンチッチも「プレーインという考えは理解できない」と異議を唱えた。「プレーオフに参加するために72試合を戦って、2連敗したらプレーオフから外れてしまう。だから、その意味が分からない」

プレーイントーナメントは7位と8位のチームが対戦し、勝者が第7シードを獲得する。この敗者は、9位と10位のチームの勝者と第8シードを懸けて対戦することになり、ドンチッチが言うように、7位に入ったとしてもプレーオフに出場できない可能性がある。そのため、現在7位のマブスがこの形式に敏感になるのは理解できる。

名物オーナーのマーク・キューバンも「このやり方は大失敗だった」と『ESPN』に語った。「この形式の最悪な点は、圧縮されたスケジュールのストレスを2倍にしてしまうことだ。プレーオフ進出を目指してプレーし、順位がはっきりしてきた時に選手を休ませることができるというよりも、ルカが言ったように、チームはトップ6に入るための試合として取り組まなければならない。そのため、選手たちは少ない日数でより多くの試合、より多くの時間をプレーしている」

NBA理事会は昨シーズンに初めて採用されたプレーイントーナメントを今シーズンから実施する案を全会一致で承認した。キューバンも理事会のメンバーだが「後から考えると、このやり方は大失敗だった」と語り、自身の決断が間違っていたことを認めた。

また、キューバンがそのように考えるのは72試合に短縮された過密日程によるものも大きい。「レギュラーシーズンが82試合で、6週間で30試合以上を戦うことがなければ、問題がなかったかもしれない。しかし、これほど多くの試合をわずかな日数で行うことは大きな間違いだ。今シーズンはプレータイムが長い選手を休ませなければならず、その選択の余地はない。そして、それが結果に繋がることもある」

リーグ事務局のデータによると、昨シーズンの1週間あたりの平均試合数は3.42試合で、今シーズンはオールスターブレイク後のスケジュールでの週3.75試合を含め、週3.6試合に増加している。コンディション調整のために試合を欠場する、いわゆる『ロードマネジメント』の議論は度々されてきた。トップ6に入る算段がつけば、プレーオフを見据え、選手を休ませるチームも出てくるだろう。しかし、プレーイントーナメントの当落線上にいるチームにそんな余裕はない。

レギュレーションの変更がない以上、プレーイントーナメントの是非はさておき、過密日程を戦い続ける選手にはケガのないシーズンを送ってもらいたい。