アルバルク東京

勝負を分けた第3クォーターのパフォーマンス

3月20日、アルバルク東京がホームで京都ハンナリーズと対戦。第3クォーターに持ち味の堅守から一気に流れを引き寄せて突き放すと、22得点を挙げたデション・トーマスを筆頭にバランスよく得点を挙げ84-72で勝利した。

試合の立ち上がり、A東京が走る展開に持ち込むことで先手を取ったが、レイヴォンテ・ライスの個人技、松井啓十郎の3ポイントシュートとベンチメンバーの活躍が光った京都に21-17と逆転される。

第2クォーターに入ると、A東京もトーマスのインサイドアタック、安藤誓哉のジャンパーなどですぐに盛り返す。A東京はターンオーバー奪取からのブレイクでザック・バランスキーが3ポイントシュートを決めて突き放しにかかるが、京都も細川一輝の得点で応戦し、同点で前半を終えた。

後半に入り、試合が大きく動く。このクォーター、A東京はドライブからのキックアウトと、パスをよく回すことでオープンのシュートチャンスを多く作り出した。確率良く外角シュートを沈め、残り3分には小酒部泰暉のジャンプシュートでリードを9点に広げる。京都もゲームハイの24得点を挙げたデイヴィッド・サイモンの奮闘で食い下がるが、勢いに乗るA東京はトーマス、安藤の連続得点で13点リードと突き放す。

第4クォーター、京都はライスが持ち前の爆発力を発揮し、残り7分半で6点差にまで詰め寄る。だが、A東京はここですぐにケビン・ジョーンズが3ポイントシュートを決めてリードを二桁に戻し、試合の主導権を渡さない。そして残り3分、須田侑太郎が3ポイントシュートを決めながらファウルをもらう4ポイントプレーを成功させ、81-67と突き放したところで勝負アリとなった。

アルバルク東京

「攻守ともに良いリズムでプレーできた結果」第3クォーターの27-15

現在、A東京は激しいチャンピオンシップ出場争いの真っ只中におり、指揮官ルカ・パヴィチェヴィッチも「残り18試合、一つひとつの試合がプレーオフに向かって大きな意味がある。そこで勝てたのは大きな勝利です」と語る。

指揮官は「特にオフェンスで優れたパワーを持っています」と京都の攻撃力を高く評価する。「インサイドに起点となるサイモン選手がいて、ライス選手とハーパー選手は1対1が強いです。また、サイモン選手とハーパー選手はビッグマンですが、外からでも点が取れます。シューターのKJ(松井)を乗せてはいけないですし、外国籍選手の得点チャンスをクリエイトする日本人ガードも抑えないといけない」

だからこそ、「勝利の鍵は、ディフェンスで京都の外国籍3人をコントロールできたこと」と守備での勝利を強調し、27-15とビッグクォーターになった第3クォーターも堅守がもたらしたものと振り返っている。

「第3クォーターでは、ディフェンスとリバウンドをしっかりし、オフェンスで確実に得点へとつなげることができました。攻守ともに良いリズムでプレーできた結果です」

一方、スコアほどの実力差を感じさせない粘りを見せた京都の小川伸也ヘッドコーチは、敗因を次のように語る。「前半は相手のピック&ロールに対してとても良いディフェンスができたと思います。ただ、第3クォーターの途中からそこのディフェンスが崩れてしまい、アルバルクさんにうまくボールを動かされてやられてしまった印象です。そして球際のところでアルバルクさんの方が強く、セカンドチャンスポイントが24点ということがそれを物語っていると思います」

A東京はチャンピオンシップ出場へ向け、引き続き負けられない綱渡りの戦いが続く。その上で明日も勝利するには、京都のハイパワーオフェンスをどこまで封じることができるのかが肝となってくる。