荒浜地区に訪れた人たちを癒す金木犀を植樹
東日本大震災から10年が経過した2021年3月11日。仙台89ERSは、ホームタウンである仙台市の中でも津波被害の大きかった若林区の荒浜地区を訪れ、14時46分に黙祷を捧げた。
荒浜地区は現在も人が住むことができず、防風林や防砂林だけが街に植えられている。チームはそこに、ナイナーズカラーの黄色の花が咲く金木犀の木を植樹した。荒浜地区を訪れた人や故郷に帰って来た人たちが、金木犀の花や香りに癒されたり、どこかで金木犀を見た時に荒浜を思ってもらいたい。そして、金木犀の花が咲く10月はBリーグの開幕時期ということもあり、バスケの季節がやってきたとナイナーズを思い出してもらいたいとの気持ちを込めたものだ。
黙祷を終えた後は、荒浜地区で震災以降は毎年開催されている風船リリースイベントに参加。その後も『スポーツの力で未来に光を』というイベントに参加して東日本大震災の犠牲者を追悼し、これからの10年に向けてスポーツができることとは何かを考えた。
また、昨年は新型コロナウイルスの影響で開館していなかった震災遺構荒浜小学校も見学し、当時の状況や地震、津波の脅威をあらためて学んだ。震災当時は仙台89ERSも残りのシーズンの活動休止を余儀なくされ、チーム存続の危機に陥った。それでも多くの人々の支援を受けて復活し、再びバスケットができるようになってBリーグの時代を迎えて現在に至る。
仙台89ERSは震災を経験したプロクラブとして、東日本大震災を風化させないよう様々な活動に取り組んでいる。そして、スポーツを通して誰かの勇気や元気になれるよう日々励んでいる。