初年度以来の優勝へ「絶対にこのチャンスをモノにしたい」
天皇杯準決勝第1試合、宇都宮ブレックスvsアルバルク東京の一戦は、超ロースコアゲームの末、宇都宮が64-54で勝利した。
17得点を挙げたライアン・ロシターを筆頭にジェフ・ギブスとジョシュ・スコットも2桁得点を挙げるなど、インサイドの攻防で上回ったことが大きな勝因となった。そして、ベンチメンバーが出ても、インテンシティが全く落ちなかったことも、勝敗を分けたポイントとなった。
竹内公輔は11分43秒のプレータイムながら、チーム最多タイの2本のオフェンスリバウンドを含む5リバウンドを記録。ボールをティップしポゼッションを確保するなど、数字以上の存在感を放った。
「ライアンの控えで出て、しっかりバトンタッチできたと思います」と竹内も満足気な表情を浮かべる。得点はフリースローの1得点に留まったが、「ジェフがインサイドで点を取ってくれてたのでジェフのスペースを取ろうとした」と、ギブスがプレーしやすい環境を整えていた。
宇都宮と言えば、フィジカルなディフェンスと強力なリバウンド力が大きな武器となっている。宇都宮がわずかにリードする時間帯が続いたが、第3クォーター残り3分に同点に追いつかれた。それでも「自分たちの武器が崩れなければいけると思っていた」と竹内が言うように、逆転を許さずに突き放す強さを見せた。
A東京のデション・トーマスとケビン・ジョーンズのプレータイムが30分を超えたのに対し、宇都宮はスコットの26分が最長としっかりタイムシェアができた。安齋竜三ヘッドコーチは「一発勝負なので展開に応じて変えようと思っていたんですけど、一人ひとりが自分の力を発揮してくれたので、プレータイムをシェアできました」と語った。
これは主力のプレータイムを抑えられたのはセカンドユニットのおかげと解釈することもできる。竹内は誇りを持ちつつ、セカンドユニットの充実をこのように語った。「セカンドユニットで出ている自分としても、セカンドユニットが弱いから負けるのは嫌です。ウチは練習でスタメンとセカンドユニットが5対5をやっても、どっちが勝つか分からないくらい高いレベルでやれています。他のチームだったらスタメンが圧倒的に強くて、控えが少し下がるというチームがあると思うんですけど、ウチはそういうのがないと思っています」
「去年は決勝に行けなくて、一昨年は決勝で負けてしまい、初年度のBリーグ以来優勝していません。シーズン途中ですけど、絶対にこのチャンスをモノにしたい」と優勝を渇望する竹内。その願いをかなえるには、竹内を筆頭としたセカンドユニットの活躍が不可欠となる。