ジョーンズカップ

文=立野快

インサイドを割らせず、走る展開に持ち込み快勝

ジョーンズカップは先週まで男子の大会が行われたが、現在は女子が戦っている。日本代表はAチームが9月のワールドカップを控えている関係で、Bチームが8月の第18回アジア競技大会に向けて編成され、その準備の一環としてこのジョーンズカップに参戦している。

薮内夏美ヘッドコーチ率いる日本代表はここまでインド、チャイニーズ・タイペイA、チャイニーズ・タイペイBに快勝し、若手を中心に普段はA代表で見られない選手が結果を残している。

28日はライバルの韓国と対戦。立ち上がり、鈴木知佳の3ポイントシュートから試合が動く。リバウンドを取るとすぐさま宮崎早織がロングパスを通し、速攻から連続得点。これで勢いに乗った日本は、ディフェンスでは梅沢カディシャ樹奈を中心にインサイドを締め、良い形で取るディフェンスリバウンドから宮崎を中心とした速攻を連発する。ハーフコートオフェンスでも韓国のゾーンディフェンスの穴を宮崎が的確に突き、アシストを量産。宮崎は第1クォーターだけで7アシストと完璧なゲームメークを披露した。

日本は韓国にインサイドを割らせず、アウトサイドシュートを打たせてリバウンドから速攻につなげる展開を続ける。韓国のアウトサイドシュートが当たり始めたことで一時は点差を詰められるも、林咲希の3ポイントシュートで突き放す。要所を耐えた日本は速攻からリードを広げ、前半を45-29と大量リードで折り返した。

後半、韓国が激しいディフェンスプレッシャーを仕掛けるも冷静に対応。パスとドライブでプレッシャーを引き剥がしてシュートチャンスを作り、韓国のゾーンディフェンスを攻略した。最終クォーターに反撃を浴びるも、前半のリードを生かして逃げ切り78-70で勝利している。

試合を通じて韓国の2ポイントシュートの確率は42.5%、ペイントエリア内での得点はわずか12と、日本はヘルプを有効に使ったインサイドのディフェンスが機能し、そこから速攻につなげることでゲームの主導権を握った。アジアを席巻するA代表のメンバーが不在でも、日本らしい走るバスケットを展開し、攻守ともに要所を締める強者のバスケットで勝利を手にしている。

明日が大会最終日。日本時間16時から始まる最終戦の相手は、日本と同じく4戦全勝のニュージーランド。ジョーンズカップ優勝を懸けた一戦となる。

ジョーンズカップ 女子日本代表選手メンバー

2 竹原レイラ (PF / 三菱電機 コアラーズ)
3 馬瓜ステファニー (SF / トヨタ自動車アンテロープス)
9 鈴木知佳 (C / 日立ハイテク クーガーズ)
11 篠崎澪 (SG / 富士通レッドウェーブ)
14 安間志織 (PG / トヨタ自動車 アンテロープス)
22 河村美幸 (PF / シャンソン化粧品 シャンソンVマジック)
23 永田萌絵 (PG / 東京医療保健大学)
27 林咲希 (SG / JX-ENEOSサンフラワーズ)
32 宮崎早織 (PG / JX-ENEOSサンフラワーズ)
33 中田珠未 (PF / 早稲田大学)
45 渡邉亜弥 (SG / 三菱電機 コアラーズ)
66 梅沢カディシャ樹奈 (C / JX-ENEOSサンフラワーズ)
[ヘッドコーチ]薮内夏美