広島ドラゴンフライズ

「自分たちは外国籍選手に頼ってプレーしているつもりはない」

広島ドラゴンフライズが横浜ビー・コルセアーズのホームに乗り込んだ第19節。第1戦は終盤で横浜の猛攻を受けるも、第3クォーターまでに奪ったリードを守り切り、11月11日以来となる白星を挙げた。

その勢いのまま第2戦も挑みたいところだったが、ジャマリ・トレイラーとトーマス・ケネディがコンディション不良のため欠場することに。さらに、グレゴリー・エチェニケが第1クォーターで2ファウルを犯してしまい不安材料が絶えない展開となった。それでも、キャプテンの朝山正悟が積極的な攻めの姿勢を見せ、荒尾岳と谷口大智がインサイドで外国籍選手を相手に身体を張った守りを見せるなど、ベテラン選手の活躍がチームに勢いを与えた。

彼らのプレーに触発されるように、後半になるとルーキーのアイザイア・マーフィーが攻守に渡りハッスルし一時は2桁のリードを奪う。しかし、最終クォーターになると広島はターンオーバーが相次ぎ、逆転負けを喫した。

チームハイの20得点を挙げた朝山は第2戦終了後の会見で「外国籍選手がいない中でも自分たちがやれるというところを見せたかったし、昨日の勝ちがあったのでなんとしても連勝できるようにと思って挑んだので、非常に残念でした」と肩を落とした。もちろん勝負の世界では結果が大切。それでも、40分のうちの約35分をリードし、日本人選手が奮闘した広島のパフォーマンスは称賛に値する。

平均2桁得点を挙げる2選手が欠場というネガティブな要素を、この日の広島は起爆剤にして挑んだ。朝山はチーム全員でハードに戦い続けることができた要因を語った。「ジャマリたちが出られないと決まった時、ロッカールームで『やってやろうぜ』とみんなで話していました。ここで自分たちが戦う姿勢を見せることができれば、シーズン後半戦に向けて自信に繋がるところも出てくると思っていました」

こう言うと、朝山は「普段、自分たちは外国籍選手に頼ってプレーしているつもりはない」と続ける。「彼らはチームを助けてくれる存在ではありますが、そこ在りきでやっているわけではありません。そこのところは自分たちを強く持って、逆に普段プレータイムが短い選手も含めて、『チャンスだぞ』という気持ちで今日はみんなで挑んだつもりです」

広島ドラゴンフライズ

「あの試合があったから自分たちが成長できたねと言えるように」

今節は1勝1敗の痛み分けとなったが、広島にとっては17にまで伸びた連敗に終止符を打ち、第2戦では日本人選手の奮闘がチームに勢いを与えるなど、収穫の多い連戦となった。だが、その反面、終盤に自分たちのミスからリズムを崩して逆転負けを喫しただけに、あらためて課題も浮き彫りとなった。

第2戦について朝山は「ゲームクロージングのところで、相手が本当に素晴らしいバスケットをした中で、自分たちはどうすることもできなかった」と振り返る。「もし、自分たちも最高のバスケットができていて、最後のシュートが入らなくて敗れたなら、次に繋がる試合になったと言えるとは思います。ですが、まだまだ自滅の部分が多く、それは自分たちの弱さであり実力だと思います。ただ、この2試合をキーポイントにできるように、『あの試合があったから自分たちが成長できたね』と言えるように、次の試合に臨んでいかなければいけないと感じています」

広島は今週末、ホームに島根スサノオマジックを迎える。ホーム戦での勝利は10月25日以降遠のいているだけに、今節で得た収穫と課題を生かしてホーム戦での勝利に繋げてほしい。