新たな遺恨勃発、決着はプレーオフで?
クリッパーズとサンズ、開幕から好スタートを切ったチーム同士の対戦は、最大31点のリードを1点差にまで詰め寄られながら、クリッパーズがリードを守り切って112-107で勝利している。もっとも、試合は最終クォーターに荒れ模様となり、後味の悪さが残るものになった。
最終クォーター残り7分半、クリッパーズが4点リードした場面で、ポール・ジョージとデビン・ブッカーが激しく罵り合い、相手に向かっていこうとする乱闘寸前の状態に。チームメートと審判に制止された両者にテクニカルファウルがコールされて事態は収まったが、実際はその一つ前のポゼッション、ジョージとクリス・ポールのマッチアップから、いざこさは発生していた。
クリッパーズの攻め、ジョージをマークするポールがオフボールで激しくやり合う。この時はジョージのアタックに対し、べったりと身体を寄せたポールがオフェンスファウルを引き出している。ここで倒れたポールにジョージが激しい口調で何かを言い、すぐ近くにいたブッカーはイライラした様子だった。
その次のクリッパーズのオフェンスも、ボールを託されたのはジョージだった。ドライブでトップ・オブ・ザ・キーから仕掛けたジョージをディアンドレ・エイトンがファウルで止める。シュートを打ちに行っていたジョージは接触を受けてバランスを崩し、そこにブロックを狙っていたキャメロン・ペインがさらに接触。最初はお互いフロアに倒れたペインとジョージに不穏な空気が流れたが、近寄ったブッカーが何かをジョージに言ったことでこの2人の罵り合いに発展した。
試合後、このシーンについて質問されたジョージは「彼らに聞いてくれ」とだけ言い、ブッカーは「何でもない」と答えている。喧嘩両成敗となったが、これでサンズは集中が切れてしまい、追撃の勢いがここで失速。逆にクリッパーズは追い上げられる苦しい展開の中でもしぶとく戦い続け、リードを守り切った。
ジョージは39得点を挙げて勝利の立役者に。昨シーズンのプレーオフではチームが空中分解する中でリーダーシップを発揮できず、そのことで動揺を誘おうと対戦相手の多くがトラッシュトークを仕掛けてくるようだ。だが、経験豊富なジョージはそれに動じない。
「昨シーズンは本当に厳しかった。それで気持ちが落ち込んでいたから、僕のことを甘いヤツだと思ってるんだろうな。だけど僕はこのリーグで10年やっているんだ。昨シーズンはもう終わったこと。僕はもう大丈夫だ。昨シーズンのことで仕掛けてくるヤツはいるだろうけど、受けて立つよ」
ジョージvsブッカー、あるいはジョージvsポール。そしてクリッパーズvsサンズの決着がつくのはまだまだ先。今回の衝突で遺恨が生まれたのであれば、今後の同カードを引き立てるスパイスになるだろう。今の調子であれば両チームがプレーオフで激突する可能性もある。ここで生まれたストーリーがどう進展するのか、注意深く見守りたい。