チームプレーで上回るスパーズが131-119で完勝
2020-21シーズン開幕戦からジャ・モラントのパフォーマンスは突出していた。開始2分、相手の不用意なリスタートのパスを奪って、そのままフローターを沈めたのが今シーズン初得点。そこからチームが作り出す速い攻めのテンポは、彼にとってのお膳立てのようなものだった。リムに向かってスピードに乗れば、もうファウルでしか止められない。自由自在に得点を重ねた彼は、終盤にはボードにボールを当て、跳ね返りをダンクで押し込む一人アリウープも決めた。
フィールドゴール27本中18本成功、44得点9アシスト。開幕戦で最も多くの得点を叩き出した選手になった。また、これまで30得点だったキャリアハイを大幅に更新しての2年目のシーズンスタートとなったが、モラントの表情は晴れない。そう、彼がオフェンスを引っ張ってもチームは噛み合わず、第2クォーター途中からずっと10点前後のビハインドを背負って敗れたからだ。
「僕のプレーとしては、やるべきことはやったつもり」というモラントだが、「全然うれしくないよ。だって、僕らは勝つために試合をしているんだから。僕らの力不足だった。ここから学んで次の準備をしなきゃならない」と続ける。
スパーズにとってはチームで戦ってつかみとった会心の勝利。グレッグ・ポポヴィッチはモラントのプレーではなくスパーズをもっと見てくれと言わんばかりの様子で「一緒にプレーする初めてのゲームで、若い選手たちがよく戦ってくれた」と語る。「終盤に少し疲れが出てモラントにやられたが、幸いにも我々の得点も止まらなかった」
デマー・デローザンが28得点、デジョンテ・マレーが21得点でラマーカス・オルドリッジが20得点。ローテーションで出た9選手がそれぞれ持ち味を発揮し、攻守にバランスの良さを保ち続けたことが、モラントの得点ラッシュがあっても常にリードを保つことができた理由となった。