佐藤実花

キャプテンの佐藤実花が20得点15リバウンド5アシスト

ウインターカップ1回戦、東海大学付属諏訪と盛岡白百合学園の試合は、時間帯により両チームに流れが行き来するスリリングな展開の末に、盛岡白百合学園が77-67で競り勝った。

立ち上がりは盛岡白百合学園が高い位置からプレッシャーディフェンスを仕掛け、速攻へと持ち込む。トランジションの中心となったのはキャプテンの佐藤実花だ。速い展開を作り出すとともに、前が空いたら自分でガンガン仕掛けてチームを勢い付ける。東海大学付属諏訪はダブルチームに行ったり、オールコートで当たったりとディフェンスに変化を付けて対応するが、個人のスキルで振りほどいた。

こうして前半は42-30と盛岡白百合学園が先行するが、第3クォーターに入ると東海大学付属諏訪のペースに。前半に比べて運動量とともに積極性が増し、ドライブで相手ディフェンスを引き付けてのキックアウト、前半は決まらなかった3ポイントシュートが決まり始めたことに加え、外れてもセカンドチャンスで繋ぐことで猛追。ディフェンスでも足がよく動くとともにディナイで相手のパス回しを断ち切った。

この猛反撃を受けた盛岡白百合学園には焦りが生まれ、速攻のシュートを落とすなどなかなか立て直せない。後半開始4分で12点差を追い付いた東海大学付属諏訪の2点リードで最終クォーターを迎えた。

終盤も混戦が続いたが、均衡を破るきっかけを盛岡白百合学園の1年生、杉内李緒が作り出す。残り7分、ファウルを受けながら3ポイントシュートを沈める4点プレーで逆転に成功。ここからディフェンスの足が復活し、激しいプレッシャーを掛けて連続で相手のターンオーバーを引き出す。ここでも杉内は好ディフェンスでチームに勢いを与えた。

運動量はオフェンスにも生き、トランジションが再び猛威を振るう。杉内の4点プレーで逆転した直後から、盛岡白百合学園は4本連続でオフェンスを成功させて68-59と一気にリードを広げる。同じく1年生の山田杏美も終盤に豊富な運動量でチームを盛り立てる。相手がタイムアウトを取っても、盛岡白百合学園の勢いは途切れず、接戦を勝ち切っている。

盛岡白百合学園の佐藤はフォワードながらハンドラー役もこなしてトランジションを引っ張り、20得点15リバウンド5アシストの大活躍。スタメン全員が下級生のチームで、佐藤も2年生ながらキャプテンを務めるが「3年生が最後の大会なので、私がチームをまとめて3年生を勝たせてあげたいという思いです」と、『上級生のために』が最後まで走りきる原動力になっていると言う。

「去年もウインターカップを経験したのですが1勝もできなかったので、今年はまず1勝という気持ちでした。私たちの目標は全国ベスト16なので、次に勝たないといけない。今日の反省は簡単なシュートを落としてしまったり、思い通りにいかない時にズルズル相手に決められてしまって、ミスを一回で立ち切れなかったので、そこをしっかり修正したい」

盛岡白百合学園はベスト16入りを懸けて、明日の2回戦で八雲学園と対戦する。