渡邊雄太

ボールプッシュから2つのファウルを誘発

ラプターズの渡邊雄太がホーネッツとのプレシーズンゲーム2試合目に臨んだ。9分間の出場で3得点3リバウンド1アシストと際立ったスタッツは残せていないが、その数字を上回るインパクトを残した。

渡邊に出番が回ってきたのは、第3クォーター残り6分15秒、ラプターズが9点ビハインドの場面。ファーストプレーでトラベリングをコールされてしまうが、それ以降は持ち味であるディフェンス力を披露するとともに、オフェンスでも打開する意欲を見せた。

ディフェンスではマークマンを見つつ、常に両手を広げていつでもヘルプに行けるように間合いを計る。マークマンがスクリーナーになった際も、味方にスイッチと声をかけスムーズにマークの受け渡しをしていた。ボックスアウトを徹底しリバウンドの意識も高く、それが好プレーに繋がる。リバウンドを確保した渡邊はすぐさまボールをプッシュ。数的有利な状況を作り出したことで相手はファウルで止めるしかなかった。第3クォーター終盤にもボールをプッシュし、ドラフト3位ルーキーのラメロ・ボールからファウルを誘発してボーナススローを獲得。渡邊のボールプッシュは一つの武器となっていた。

オフェンスではスクリーナーとなり、コーナーに待ち構えてスペースを広げるなど様々な役割をこなした。結果的に3ポイントシュートを打つ機会はなかったが、自分のマークが甘いと見るやボールを要求する仕草を見せて、積極的にオフェンスに絡もうとしていた。また、オフェンスが停滞した際には何度もゴールにカットし変化を与えた。こうした動きが、フローターシュートを成功させたシーンに繋がった。マラカイ・フリンがトップから仕掛け、マット・トーマスにパスアウト。シューターのトーマスがドライブし、自分のマークマンがヘルプに向かったと同時にペイントに侵入。 渡邊はノーマークでパスをもらい、そのままフローターシュートを沈め、この試合初のフィールドゴールを成功させた。

プレーしていた時間の得失点差を表す数値が+9を記録したように、渡邊が出場した時間帯はチームとして噛み合い、一時逆転にも成功した。9分間の出場ではあったが、しっかりと持ち味を生かし、戦力となれることを証明したと言える。これからも競争は続くが、正式契約、さらにロスター入りに期待が持てるパフォーマンスだった。