安齋ヘッドコーチ「遂行力が低く、残念なゲームだった」
バイウィークが明けたBリーグ、宇都宮ブレックスは川崎ブレイブサンダースと対戦したが今シーズン最少得点となる60-67で敗れ、連勝が10で止まった。
安齋竜三ヘッドコーチは「非常に残念なゲームだったし、情けなくて会場に来てもらったファンに申し訳なかった」と肩を落とした。スコアだけを見れば壮絶な守り合いの結果とも取れるが、「途中からディフェンスもオフェンスも遂行力が全然なかった」と、指揮官にとっては選手の遂行力の欠如が目に余ったようだ。
最初に主導権を握ったのは宇都宮だった。持ち味である強度の高いディフェンスから連続でターンオーバーを誘発し、開始3分で11-2と最高のスタートを切った。だが、藤井祐眞に連続で3ポイントシュートを許し流れを断ち切られると、途中出場のマット・ボンズのアグレッシブなプレーに面食らい、逆転を許した。
遠藤祐亮は前半をこのように振り返った。「最初は自分たちのディフェンスの強度のほうが勝っていた。相手がやりたいトランジションをやられだしてから、オフェンスでも良いリズムでできなくなってしまった。そこでやり返そうという強い気持ちも前半は見れず、相手のほうが勝っていた」
安齋ヘッドコーチが「トランジションでターンオーバーがあったり、フリースローを外したり、自分たちのミスで点数が取れなくなった」と語ったように、遠藤も自滅したことを敗因に挙げた。「流れをつかめそうなきっかけは何回もあったんですけど、いらないミスが多くて、相手に流れを持って行かれる場面が何回もありました。そういうことがあると、強い相手には勝てないということを再確認しました」
比江島「打開策が見つからなかった」
特に追いかけるチームにとって、時計が止まり加点できるフリースローは是が非でも決めたいところ。宇都宮は22本のフリースローを獲得するも11本しか成功できず、得点が伸び悩んだ。ディフェンスのイメージが強い宇都宮だが、平均得点は80を超えている。やはり、オフェンスが足を引っ張った形だ。比江島慎も「相手を67点に抑えていますし、オフェンスの連携が今日に関しては良くなかった」と語った。
宇都宮は川崎の素早く正確なローテーションディフェンスを攻めあぐねた。川崎のスムーズなディフェンスの受け渡しによりズレを作り出せず、ハイポストでセンター陣がボールの渡しどころを探すシーンが多々見られた。比江島も「相手の激しいディフェンスに戸惑ってしまう部分もあって打開策が見つからなかった」と感じていた。
それでも、比江島は積極的にドライブを仕掛けて個での打開を図った。最終クォーターには6得点2アシストと反撃のきっかけを作ったが「もっと早くリングにアタックするべきだった。苦しい時間帯が長く続いてしまい、間に合わなかった」と後悔の念を募らせた。
連勝は止まったが、宇都宮は現在もリーグ首位をキープしている。「これぐらいの選手たちじゃないと思っている」と安齋ヘッドコーチが信頼を寄せるように、この敗戦は宇都宮をさらに強いチームへと変えるきっかけになるのかもしれない。
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