ニック・メイヨ

大学卒業後、日本でプロキャリアをスタートさせたニック・メイヨはレバンガ北海道に移籍後、スコアラーとしての力を開花させた。15試合を終え平均23.1得点は、ニック・ファジーカスと並び現在リーグトップの数字だ。自身は好調な2年目を送っているが、チームは黒星が先行する苦しい状況に陥っている。それでも「勝つのも負けるのもチームの結果」と、チームファーストの精神はブレない。そんなメイヨに現在の心境を聞いた。

「自分が55点を取るよりもチームが勝つほうが大切」

──バイウィーク中は2部練習を行っているようですね。もっと身体を休めたいとの思いはありませんか?

僕はまだ若いですし、大学時代も練習量は多かったので、特に問題はありません。今のチーム状況を考えた時に練習量は必要だと思うし、大切な時間です。ディフェンスもオフェンスも量をこなせてきたし、普段よりもシューティングする時間があって、量を意識する期間だと思っています。

──厳しい練習をしているようですが、その中でリラックスできる時間は何をしていますか?

アメリカに住む家族や友達と連絡したり、家でゆっくりしている時が一番リラックスできますね。ビデオゲームも好きですし。パンケーキを作ったり、卵とベーコンを焼いたり、パスタを作ったり、基本的に自炊しています。

──北海道はおいしいものが多いので、それは意外でした。ちなみに昨シーズンの試合後に ファストフード店で食事している姿を見かけて驚いた記憶があります。

北海道に来てから数回お寿司や焼肉を食べにいきますが、コロナの状況で気軽に外に食べにいくことができないのが正直なところです。たまにコンビニで食事を済ませたりすることもあるし、気分転換にジャンクフードも食べます。あまり町を探索することもできないので、コロナの状況が良くなったらもっと北海道を楽しみたいと思います。

ニック・メイヨ

「プレータイムが伸びれば自ずとスコアも伸びる 」

──ここまで平均23.1得点でリーグトップの数字を残しています。好調の要因は何でしょうか?

厳しい練習の成果だと思います。コーチからもアグレッシブさを心掛けろと言われているし、得点を取ることは自分に与えられた役割だと思っているので、それを遂行した結果が今の数字に表れています。プレータイムが伸びれば自ずとスコアも伸びると思っていました。得点力は自分の持ち味で、自分のキャリアを切り開くモノの一つだと思っています。

──昨シーズンの千葉では、もっと攻めてほしいとも言われていたと思います。

そうですね、大野(篤史)コーチから言われたことも良い経験になっています。昨シーズンに足りなかったこと、学んだことをオフにアメリカでワークアウトを続けて、積み重ねたことで今の結果に繋がっていると思います。

──特に多嶋朝飛選手との連携が上手くいっているように思います。

彼はパスをさばくのがうまくシュート力もあります。それが相手にとって脅威となり、良いパスを多くもらっています。やりやすいですね。冗談も言ったりコミュニケーションを取って、良いコンビだと思っています。

──バイウィーク前の最後の試合ではBリーグキャリアハイの37得点を挙げ、連敗を7で止める立役者となりました。これまでのバスケ人生の中でのキャリアハイは何得点になりますか?

大学時代のキャリアハイは40得点だったと思います。前半はファウルトラブルであまりプレーできず、5点しか取れなかったけど、後半に35得点入れた試合がありました。高校の時に55得点を決めたことがあるので、キャリアの中ではその55得点が最高ですね。

──北海道でそれを超えられそうですか?

確かその試合は2本しかシュートを外していなかったと思うので、フィールドゴールが100%成功したら、55得点を超えられる可能性もあるんじゃないかな(笑)。ただ、自分が55点を取るよりもチームが勝つほうが大切なので、とにかくチームの勝利に貢献するプレーがしたいです。

ニック・メイヨ

「誰か一人のおかげで勝つことのないスポーツ」

──北海道は現在リバウンドがリーグワーストです。メイヨ選手も8.3リバウンドと、決して多くはありません。負担が大きいことは承知ですが、このことについてはどのように考えていますか?

もちろん、リバウンドも僕の役割で、僕がもっとリバウンドを取ることができれば、勝利に近づくとも思っています。何よりもチームが勝つことに貢献しないといけないと思っているので。ただ、僕一人だけで解決できる問題でもないので、チームとしてその数字に向き合っていかないといけません。

──メイヨ選手自身は好調を維持していますが、負け越しているチームとのギャップに苦しむことはありませんか?

クロスゲームを落としていることでこのような成績になっていますが、数字ほどチームの状況が悪いとは思っていないです。練習を積み重ねて、クロスゲームをモノにできるようになれば、勝ち星もついてくるはずです。

僕がずっとバスケをしてきた中で「負けもチームの負けで、勝ちもチームの勝ち」と教わってきました。両親の教えもそうでしたし、大学でもチームとして戦うことを教わりました。誰か一人のせいで負けることもないし、誰か一人のおかげで勝つこともないスポーツだと。なので、結果にとらわれず、何ができるかにフォーカスするだけです。

──バイウィーク明けは古巣の千葉ジェッツをホームに迎えます。前回の対戦では大敗を喫した相手だけに少なからず意識するのではないでしょうか?

前回は不甲斐ない2試合にしてしまったので、より良い試合をしなければいけません。もちろん、一緒にやっていた仲間と試合をすることは特別なことだけど、それよりも前回からステップアップしたところを見せたいです。

千葉は本当に温かく迎え入れてもらえたので、感謝の気持ちしかありません。なので、後悔させてやるみたいな気持ちは全くないです。でもコートに立ったら恩返しじゃないですけど、100%全力で立ち向かうだけです。勝てば流れをつかむビッグゲームだと思っているので、良い準備をしてコート上で表現したいです。

──では最後にファンの方々へメッセージをお願いします。

まずはファンの皆様も健康第一だと思うので、身体には気を付けてください。1試合ずっと応援し続けることの大変さは僕も知っています。今は声援ではなく拍手で力をもらっていますが、ありがたいと思っています。可能であれば、会場に足を運んでほしいです。これからはファンのサポートがより一層必要になってくると思うので、引き続き僕たちのサポートをお願いします。

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