『3年目の飛躍』を果たしたジェイソン・テイタム、マックス契約に相応しいセルティックス期待の星

『3年目の飛躍』を果たしたジェイソン・テイタム、マックス契約に相応しいセルティックス期待の星

2020/11/24 07:40
ジェイソン・テイタム

次に求められるのは『最後にチームを勝たせるプレー』

2017年のドラフト1巡目選手たちの契約更新が始まり、セルティックスのジェイソン・テイタムは来年から始まる新たな5年契約をスーパーマックスで締結しました。オールNBAにも選ばれた若きウイングは、今後も長くセルティックスの中心選手として活躍することが期待されています。

ルーキーシーズンから活躍したテイタムですが、2年目まではカイリー・アービングとアル・ホーフォードから始まるオフェンスの中で、ウイングとしてキャッチ&シュートの3ポイントシュートとドライブを中心としたスタイルでした。あくまでもフィニッシャーとして得点を奪うことが役割であり、コートをワイドに使うオフェンスシステムで輝く存在でした。

それが3年目となった昨シーズンは、テイタムがトップ近辺でボールを持って始めるオフェンスが増え、フィニッシャーではなくチームオフェンスの中心に変わりました。ウイングの時はパスを受けた時点で『フリー』もしくは『1on1』の状況になっていましたが、トップでは相手のディフェンス全体を崩す必要があり、シュートチャンスも自らクリエイトしていかなければいけません。

そのため昨シーズンはプルアップでの3ポイントシュートアテンプトを1.4本から4.7本へと大きく増やしました。それでも成功率を落とすことはなく、またドライブでもヘルプが増える中でペイント内得点を6.3点から8.6点と大きく伸ばしており、より難易度の高いプレーを正確に決めることで得点能力を大きく向上させました。

ケンバ・ウォーカーやマーカス・スマートがいるため、ゲームメークまでする必要はないものの、シーズンを通してテイタムには難しいプレーを決めていくことが求められました。その一方で特にプレーオフになると両コーナーに大きなキックアウトパスを出し、平均5.0アシストを記録するなど、2年目に目立った強引なタフショットは減り、判断力も光るようになってきました。

フィニッシャーとして得点を取るだけではなく、プレーメーカーとして様々な形でオフェンスに貢献できる選手として成長した3年目は、セルティックスの将来を担うスーパースターであることを強く示したシーズンだったと言えます。

それ以上に大きく成長したのがディフェンス面です。2年目まではマンマークで粘り強い対応ができず、優れたディフェンダーが揃うセルティックスの中では弱点となっていましたが、それ以上にスモールラインナップを好むチームスタイルによりインサイドを担当させられ、パワーファイターではないテイタムには荷が重い印象がありました。

ところが昨シーズンはスピードでもフィジカルでも粘り強いマンマークができるようになり、インサイドのヘルプディフェンスまで見違えるように改善しました。リバウンド、ブロック、スティールのすべてでキャリアハイを記録し、強固なディフェンス組織に欠かせない存在になったのです。

攻守で重要性が増し、結果を残したテイタムの昨シーズンは素晴らしいものでした。大型契約に相応しい結果を示しただけでなく、まだまだ成長していくポテンシャルも感じさせます。素晴らしいハイライトプレーを繰り出すだけでなく、一つひとつの細かいプレーにおけるクオリティが上がり、試合の全局面で存在感を発揮する選手になってきました。

しかし、まだまだ課題もあります。試合全体でハイパフォーマンスを見せるもののクラッチタイムで輝くことができず、特にプレーオフでは『残り3分、5点差以内』のシチュエーションでフィールドゴール成功率は30%を下回り、平均得点も0.8点。『最後にチームを勝たせるプレー』ができませんでした。またディフェンス面でも、東カンファレンスファイナルでは終盤でジミー・バトラーのマークを任されたものの、1on1から決勝点を叩き込まれました。

試合を通して攻守にテイタムの負荷が増えた影響もあり、消耗の激しいプレーオフでプレータイムが長くなったことで顕著に出た現象でもありました。これだけの役割を担ったのは初めての経験だっただけに、成長し克服していくしかありません。

プレーオフではテイタム以外の若きエースたちの活躍も目立ち、ジャマール・マレーとドノバン・ミッチェルが試合開始から最後までハイレベルのスコアリングバトルを繰り広げれば、ルカ・ドンチッチはオーバータイムに見事なブザービーターを決めました。何よりもセルティックスが敗れたヒートではバム・アデバヨがテイタムのダンクをブロックして勝利をもたらせば、タイラー・ヒーローがオーバータイムで爆発した試合もありました。テイタムができなかった『最後にチームを勝たせるプレー』を見せた若手も多かっただけに、現状に満足するわけにはいきません。

テイタムの3年目は素晴らしいものでしたが、ライバルも引けを取らないプレーを見せています。成長し続けなければ置いて行かれるのがNBAの厳しさです。新シーズンにはセルティックスのスーパーエースに相応しい、新たなステップアップが期待されます。

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