ドノバン・ミッチェル

2017年ドラフトの同期、3シーズンを終えて最大級の評価

ジャズのドノバン・ミッチェルが、そしてセルティックスのジェイソン・テイタムがマックス額での契約延長にサインした。契約期間は5年、金額は1億6300万ドル(約170億円)が保証されており、2020-21シーズンにオールNBAチームに入れば1億9500万ドル(約200億円)まで上がる内容となっている。2人は2017年NBAドラフトの同期。テイタムは1巡目3位指名で、ミッチェルは同13位で指名を受け、ルーキーイヤーから活躍している。同じくキングスのディアロン・フォックスも最大額での契約延長に合意した。

ミッチェルは昨シーズン、レギュラーシーズンでは平均24.0得点、4.3アシストを記録したがプレーオフではそれを上回るパフォーマンスを見せた。ナゲッツとのファーストラウンド7試合では36.3得点を記録、50得点以上の試合が2試合あったが、これを達成したのはミッチェル、マイケル・ジョーダン、アレン・アイバーソンの3人しかいない。

特に昨シーズンのミッチェルはリーダーとして成長した。ジャズはチーム内で新型コロナウイルスの感染が広がり、リーグ中断のきっかけになったチーム。ルディ・ゴベアに続いてミッチェルも感染し、2人の関係は一度は悪化したようだが、『バブル』でシーズンが再開するとミッチェルはそんなムードを払拭。若手でありながらチームを引っ張る姿勢をこれまで以上に出すようになった。

ジャズはオーナー交代があったばかりで、新たなオーナーのライアン・スミスは選手補強に積極的な姿勢を見せている。ミッチェルに対するマックス契約はその第一歩。これから彼がオールスター級のサポーティングキャストを得られる可能性もある。

テイタムは名門セルティックスで1年目から主力として活躍し続けている。ミッチェルが得点に特化したエースである一方で、テイタムはオールラウンドな能力が持ち味。エースが大量得点で引っ張らなければならないジャズとはチーム事情が違い、どこからでも点が取れるセルティックスを様々なプレーで支えつつ、勝負どころで結果を出すことができる。

ここまで3シーズン、常に主力として活躍しながら、得点、リバウンド、アシストと主要スタッツすべてで向上し続けている。またポストシーズンになるとレギュラーシーズン以上の結果が出せることは、優れた選手が揃うセルティックスにおいても彼が特別な存在であることを示している。

ジャズにとってもセルティックスにとっても、契約延長な容易な決断だった。若きスター選手と長期契約を結ぶことで、その選手を軸とした長期的なチーム作りを推し進められる。

ドラフトで上位指名されたからと言って、思い通りに活躍できるとは限らない。むしろマックス契約を結ぶことができる選手はほんの一握りだ。彼らがこのまま、レブロン・ジェームズやステフィン・カリーといったNBAトップスター選手へと成長することを願いたい。