サンダーの辣腕GMサム・プレスティは選ぶのは現状維持か再建か、あるいは『ハイブリッド式』で両方を求めるか

サンダーの辣腕GMサム・プレスティは選ぶのは現状維持か再建か、あるいは『ハイブリッド式』で両方を求めるか

2020/11/16 08:00
クリス・ポール

クリス・ポールをどう評価するかがポイントに

サンダーは新たなヘッドコーチの選定にかなりの時間をかけ、シーズン開幕が決まったタイミングでマーク・ダグノートの就任を発表しました。もったいぶった末の内部昇格で、この人選には肩透かしを食らった気がしますが、ロスターに適したコーチを選ぶという意味で、35歳の若いダグノートの抜擢は、若手中心への切り替えを示しているのかもしれません。

しかし、今年のドラフトでは25位の指名権しか持っておらず、スターの原石を指名するには苦しい状態。ここからどのような動きをするのか読めないところがあります。

サンダーには複数の選択肢があります。1つ目はクリス・ポールを中心としたロスターを維持し、チーム力を高めていくこと。ダニーロ・ガリナーリはフリーエージェントになるものの、主力のほとんどを残すことができるため、旋風を巻き起こした昨シーズンのように全員がアタックするオフェンスと伝統のハードなディフェンスを継続すればプレーオフは現実的な目標となります。

ただ来オフにはスティーブン・アダムスやデニス・シュルーダーの契約が切れるため、この選択はあくまでも1年限りであり、将来に向けた継続性には欠ける計画です。プレーオフを目指すには現状維持が好ましいものの、将来のことを考える必要があります。

35歳のクリス・ポールをどう評価しているのかも重要な要素です。昨シーズンの活躍は素晴らしく、オールNBAチームにも選ばれ、トレードの噂も絶えないポイントガードの価値は1年前とは比べ物にならないくらい高まっています。ただし、輝くプレーは継続しているもののケガも多く、1年後も同じ評価を得られるとは限りません。「今が売り時」であることは間違いないと考えれば、現状維持よりもトレードを選ぶ可能性が高いでしょう。

クリス・ポールのようなオールスター選手をトレードして再建を選ぶ場合は、通常であれば多くのドラフト指名権を求めます。若き有望株を集めて育成していくのは、サンダーのチームカラーにも合っています。その場合は今オフにシュルーダーやアダムスも積極的に放出して、若手を多く集めてくることになるでしょう。

しかし、サンダーはポール・ジョージとラッセル・ウエストブルックの放出によって将来の指名権を十分に持っています。低迷を覚悟して指名権をこれ以上集めるよりも、プレーオフを目指せる戦力を維持しながら、有望株も求める『欲張りな選択』をしそうなチームです。

クリス・ポールとガリナーリが抜けてしまえば、サンダーのロスターには30代の選手がいなくなります。契約の残る選手で最年長となるアダムスとシュルーダーでも27歳と若く、トレードで30歳前後のリーダーシップを発揮できる複数の選手を加えるのは、チームの将来性を考えても理にかなっています。実は若手よりも中堅どころを狙っているかもしれません。

選手が変われば連携面が気になりますが、サンダーのアシスト数は28位と少なく、個人アタックの組み合わせが中心でした。特定のエースに頼るのではなく、アタックできる選手の人数で勝負していた部分も大きく、特定のスーパースターよりも、複数の実力者を獲得したい狙いもありそうです。

多くの選択肢を持っている状況だからこそ、サム・プレスティGMの辣腕が真価を発揮しそうです。自分たちに有利な条件を巧みに引き出し、戦力強化も将来への投資も同時に行ってしまうウルトラCを繰り出しそうなだけに、サンダーがオフの主役になる可能性も十分にあるはずです。一見すると損をしているようなトレードでも、チームカラーに適した選手や隠れたスター候補を発掘するのが上手いプレスティGMが、このオフにどんな選択をするのか注目です。

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