写真=Getty Images

スパーズの思惑を崩す完全勝利でウォリアーズが年間72勝の記録に並ぶ

ウォリアーズは今月に入ってセルティックスとティンバーウルブズにホームで敗戦を喫し、ブルズが成し遂げた年間72勝の記録更新に黄信号が灯った。それでも、その後はスパーズとグリズリーズを相手に連勝して望みをつなぐ。そして現地4月10日、立ちはだかるのはスパーズ、その舞台はウォリアーズにとっての鬼門、AT&Tセンター。

スパーズは西カンファレンスの2位がすでに確定。主力選手に休養を与えてもおかしくないところだが、クワイ・レナードもラマーカス・オルドリッジも出場。百戦錬磨のヘッドコーチであるグレッグ・ポポビッチはプレーオフでの対戦を見据え、ここでウォリアーズを倒して新記録達成を妨げ、王者に苦手意識を植え付けようと考えたに違いない。

もっとも、試合序盤は互いにシュートミスが続く予想外の展開。前半を終えて35-35の同点という、両チームにしては稀に見るロースコアの争いとなった。

ステファン・カリーをインサイドに入れさせたくないスパーズは、徹底して3ポイントシュートラインの外側に追いやろうと試みる。だが、これは逆効果。前回の対戦で3ポイントシュート12本中1本、わずか14得点に抑えられたカリーが黙っているわけがなかった。

第3クォーター序盤に2本続けて3ポイントシュートを成功させたカリーは、得意のジャンプシュートにレイアップ、インサイドに侵入してからのフローターを織り交ぜスパーズのディフェンスを翻弄。さらに第3クォーターのラストプレイでは、自陣奥深くから超ロングシュートを決める。惜しくも時間切れのリリースと判定され、得点にはならなかったが、これは「外でプレーさせておけば大丈夫」と考えていたスパーズの作戦を根本から覆す「幻の一投」となった。

第4クォーター序盤まで僅差の争いが続いたが、ウォリアーズは残り7分51秒から約6分の間に20-10のランで90-79に点差を広げる。最終スコア92-86で年間72勝目を挙げ、1995-96シーズンのブルズが打ち立てた年間最多勝利に並んだ。

スパーズは王者を叩いてプレーオフに弾みを付けるどころか返り討ちに遭い、今シーズン開幕から続いていたホームでの連勝記録が39でストップ。また1997年2月14日以来続いていたホームでのウォリアーズ戦連勝も33で止まっている。

37得点で勝利に貢献したステファン・カリーは試合後、「歴史上、誰も成し遂げていないことを達成するチャンスに恵まれているのは、とてもすごいことだ」と興奮を隠さなかった。ウォリアーズは2日間の休養を挟んで、レギュラーシーズン最終戦、ホームでのグリズリーズ戦を迎える。ここで勝つと年間73勝、新記録樹立となる。


4月10日の試合結果
ホーネッツ 98 113 ウィザーズ
レイカーズ 110 130 ロケッツ
マーベリックス 91 98 クリッパーズ
バックス 109 108 セブンティシクサーズ
ジャズ 100 84 ナゲッツ
ネッツ 105 129 ペイサーズ
マジック 96 118 ヒート
ラプターズ 93 89 ニックス