大一番でプレーオフキャリアハイの32得点
ヒートはセルティックスとの東カンファレンスファイナル第6戦に125-113で勝利し、6年ぶりとなるNBAファイナル進出を決めた。
終始主導権を握りながらも突き放せるチャンスを逸したヒートは、最終クォーター開始3分でこの日最大となる6点のビハインドを背負った。それでも、タイラー・ヒーローが思い切りの良いシュートを決めて悪い流れを断ち切ると、プレーオフキャリアハイの32得点を挙げたバム・アデバヨがインサイドを制圧したことでヒートが流れを引き寄せた。
アデバヨは何度もスクリーンをかけ、チームメートを助けつつ、自らも合わせから得点を量産してきたが、この勝負どころでは、合わせではなく自ら積極的にアタックし、豪快なダンクを叩き込んでは、ファウルを受けながらミドルシュートも成功させた。さらにマークにつくダニエル・タイスをファウルアウトに追い込んだことが、セルティックスの失速を生んだ。
アデバヨは15本中11本のフィールドゴールを成功させ、フリースローも11本中10本を沈め、15リバウンド5アシストと勝利に大きく貢献した。敗れた第5戦後には「この負けは僕の責任」と自身を責めたが、「前の試合みたいにチームの期待に応えられないプレーはしたくなかった。今日はその期待に応えられたと思う」と、バウンスバックを果たした。
巧みなゲームメークを見せつつ、22得点を挙げたジミー・バトラーはアデバヨを称賛しつつ、チームの信頼について語った。「スターは勝つ術を見つけることができる。シーズンを通して彼はそれを証明してきた。もちろん、他の多くの選手も同じことをしてきた。何度も言ってきたが、ウチは1人の選手を抑えればいいというチームではない。実際に試合になるまで誰が活躍するかは分からないんだ。お互いを心から信頼していて、バムも信頼している。彼はチームに勝利をもたらしてくれた」
ファイナルの相手はレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスを要するレイカーズ。西の第1シードから順当に勝ち上がったレイカーズに対し、ヒートは第5シードからファイナルまで上り詰めた。アデバヨは「僕らはずっと下克上を成し遂げてきた。ファイナルはどちらに勝利が転ぶか分からない。誰が相手でも引き下がるつもりはないし、立ち向かっていくだけさ」と語り、「あと4勝」と頂点だけを見据えている。