アンソニー・デイビス

レブロン「大事なのは簡単にフリースローを与えないこと」

現地時間4日から、西カンファレンスセミファイナルのレイカーズvsロケッツがスタートする。レイカーズはトレイルブレイザーズとのシリーズ初戦を落としたものの、その後は4連勝を収めた。ただし相手のブレイザーズは疲労困憊で、勝ち方にさほど大きな収穫があったとは言えない。何日か休養を取れたことでパフォーマンスを上げていけるかが注目される。

対するロケッツはサンダー相手に大いに苦しめられた。伸び盛りの若手がアグレッシブにプレーし、クリス・ポールが円熟の司令塔ぶりで勝負どころを引き締めるサンダーは間違いなく強敵で、GAME7にもつれる混戦になったのは仕方のないところ。むしろ追い詰められたGAME7をチーム力で勝ち切ったことで、疲労はあるにせよチームに勢いが付いた。

つまり西カンファレンス1位で優勝候補のレイカーズをもってしても、ロケッツは油断できない相手ということ。ジェームズ・ハーデンはGAME7で自信を高めただろうし、サンダー戦ではパッとしなかったラッセル・ウェストブルックもケガからの復帰で試合をこなすごとに復調していくはずだ。

前日会見に応じたレブロン・ジェームズは、ラス(ウェストブルック)とハーデンを軸とするロケッツの爆発的なオフェンス力を警戒する。「リムへのアタックと3ポイントシュート両方をケアしなければいけない。すべて止めるのは不可能で、大事なのは簡単にフリースローを与えないことだ。特にジェームズはアテンプトも成功数もここ5シーズンでずっとリーグトップだ。とにかくディフェンスのプランを48分間遂行しなければならない」

レブロンはハーデンとラスの実力を認め、ライバルとのマッチアップを楽しみにしている。「ジェームズを語る際に見落とされがちなのは、コンスタントに試合に出続けていることだ。キャリアを通じてずっと高いレベルでプレーしているよね。これは本当に難しいこと。ユーロステップはステップバックスリーが注目されるけど、試合に出続けることがチームにどれだけ大きな貢献か。常にプレーし続けているからこそ、チームメートの信頼を勝ち取ることができるんだ。そしてラスはスナイパーだね。周りの評価に惑わされず、自分のスタイルを貫いて成功を収めてきた。素晴らしい選手だよ」

ロケッツの特徴はビッグマンを置かずスピードと3ポイントシュートに特化したマイクロボール。その爆発力を封じるカギは、ディフェンス力に優れたビッグマン、アンソニー・デイビスがロケッツのスピードに対応できるか。また攻撃に転じた際にサイズのミスマッチをどれだけ生かせるかも勝敗のカギとなりそうだ。

「間違いなくカギになるね」とデイビスは言う。「でも、心配はしていない。シーディングゲームでは僕のシュートタッチは良くなかったけど、今はリズムを取り戻せたと思う」

「ラスがケガから復帰したことでロケッツは全く別のチームになった。躍動感があるし、見た目から違うよね。ロケッツはスイッチを多用して、5人全員がアウトサイドにポジションを取る。ウチは普段はペイントエリアを守る2人がペリメーターでディフェンスしなければいけない。やり方を変えることになるけど、相手に修正させるように持っていくのも大事だ」

そう語るデイビスには揺るぎない自信があるように見える。ロケッツのマイクロボールはNBA屈指の完成度を誇るが、今ではどのチームも3ポイントシュート重視で、パワーフォワードの選手がアウトサイドを守れないようでは高い評価は得られない。今まで十分にやってきた自信が、デイビスの力になりそうだ。「僕らがアジャストするんじゃない。スモールボール戦術に対してリバウンドで圧倒して、彼らを僕らのサイズにアジャストさせるんだ」

言葉で言うのは簡単だが、実際にコート上でそのパフォーマンスを出せるかどうか。注目のシリーズが始まる。