写真=Getty Images

下馬評ではシクサーズ有利も『ファンの力』を警戒

プレーオフでは、ホームのファンが『6番目の選手』になる。ありきたりな表現かもしれないが、これは本当のこと。特に熱狂的なファンが多いことで知られるボストンでは、セルティックスと対戦するチームがペースを乱されるケースも多い。

今シーズン破竹の勢いで東カンファレンス3位に躍進したセブンティシクサーズは、そのセルティックスとカンファレンス準決勝で激突する。第1戦を前日に控え、ベテランのアーサン・イリヤソバは、セルティックスファンの存在を警戒している。

イリヤソバは、1回戦で対戦したヒートとセルティックスのファンを比較。「マイアミでは会場の半分くらいしか埋まっていなかった。でもボストンに行けば、レギュラーシーズン中もそうであるように、ファンの力を感じさせられることになる。会場はチームのために全力を捧げるファンで満員になるんだ」と語った。

ヒートのファンが聞いたら不快な内容ではあるものの、ボストンのTDガーデンが作り出す雰囲気はやはり独特だ。NBA9年目のイリヤソバは、これまでの経験でボストンのファンがチームに与える力を熟知している。「あの会場では相当なエネルギーを持って臨まないといけない。勝つためには、自分たちにとって有利な部分を生かさないといけない」と言う。

下馬評では、成長著しいジョエル・エンビード、ベン・シモンズが中心のシクサーズが有利という意見が多い。特にコンディションの差は明白。ひざの手術を決断してシーズン終了となったカイリー・アービング抜きのセルティックスは、第7戦までもつれたバックスとの1回戦で疲弊しきっている。一方のシクサーズはヒートを4勝1敗で下して休養十分。だが、ホームコート・アドバンテージはセルティックスが保持している、ホームで負けなければ、勝つのは彼らだ。

もし今シリーズの行方を左右する不確定要素があるとすれば、それはシクサーズの本拠地ウェルズ・ファーゴ・センターではなく、TDガーデンと考えるべきだろう。エンビードとシモンズがボストンでどういうプレーを見せるのか、第1戦が楽しみだ。