8連勝で『バブル最強のチーム』に成り上がったサンズ、最高のフィニッシュを次のシーズンにどう繋げるか

8連勝で『バブル最強のチーム』に成り上がったサンズ、最高のフィニッシュを次のシーズンにどう繋げるか

2020/08/15
デビン・ブッカー

『ブッカーの活躍』は驚きではない、では躍進の要因は?

シーズン中断まで26勝39敗と今シーズンも低迷を続けていながら、わずかながら可能性があるため『バブル』に呼ばれたチーム。そのサンズが無傷の8連勝でプレーインまであと一歩というところまでたどり着き、シーディングゲームを大いに盛り上げました。デビン・ブッカーが2015年に加入してから最長となる連勝は、運や勢いといった曖昧なものではありません。明確な強さによって勝ち続けた『バブル最強のチーム』は、惜しまれながらシーズンを終えることになりました。

サンズ躍進の最大の要因は、8試合で平均30.5点、6.0アシストを記録したデビン・ブッカーの存在です。しかし、この2シーズンでブッカー自身はこのレベルの活躍を頻繁に見せており、『バブル』で突然ブレイクしたわけではありません。8連勝には特殊なシチュエーションゆえの3つの理由がありました。

1つ目は再開前から『1敗もできない』状況に追い込まれており、全力で臨むしかなかったのですが、長い中断期間で休養も取れていたため『プレーオフ仕様の選手起用』ができたことです。ほぼ8人にローテを絞って戦い、ブッカーだけでなく控えのいないウイングのミケル・ブリッジズ、キャメロン・ジョンソンは毎試合のように長時間プレーしました。長い移動のある通常のシーズンであれば実現できない、バブルならではの起用法でした。

実はサンズは中断前からメインユニットでは強さを発揮している一方で、ベンチメンバーがコートに出ると一気にバランスが崩れてしまうチームでした。ケリー・ウーブレイJr.は欠場したものの、見事に穴を埋めたジョンソンの活躍もあり、起用する選手を絞ったユニットでの戦いでは『中断前と同じように強かった』のです。ヘッドコーチのモンティ・ウィリアムスが選手の個性を組み合わせるようなオフェンスを採用していたこともあり、特定の選手だけで戦った方が連携はスムーズでした。

2つ目は、その苦しかったベンチメンバーに新たに加わったキャメロン・ペインが予想外の大活躍でシックスマンとして機能したことです。2015年のドラフトでブッカーの次となる1巡目14位で指名されたペインはルーキーシーズンこそ活躍したものの、トレードされるごとに出場機会を失い、今シーズンはGリーグのテキサス・レジェンズで過ごすことになりました。

Gリーグでは1月から23.2得点、8.1アシストと大活躍したものの、サンズにはガードの控えは十分にいただけに、中断と再開前の練習期間がなければペインが出場機会を得ていたとは思えません。しかし、コートに立てば3ポイントシュート成功率が50%を超える大当たりで、ブッカーがベンチに座る時間を支えることになりました。

3つ目は期待のディアンドレ・エイトンが戦術の中心的な役割を果たしたことです。ハイポストでボールムーブの中継点となり、そこから両コーナーに広くボールを散らしていくエイトンのプレーはディフェンスの視界からボールを消し、効果的にボールを散らすことで7人が2桁得点を記録するバランスアタックを実現させました。

エイトンについては『バブル』という事情は関係ありませんが、今シーズンは開幕早々に薬物使用で長期間の出場停止となると、復帰後のパフォーマンスは不安定で機能していたとは言い難いものがありました。その彼が新型コロナウイルスの感染拡大に伴うシーズン中断によって十分な準備期間を持てたことで、『バブル』では迷いのないプレーチョイスとブッカーに次ぐ得点能力で、チーム戦術の中核を担ったのです。

個人がしっかりと噛み合って素晴らしいプレーを披露したサンズは、シーディングゲームにおいて最強のチームでした。来シーズンに期待を持たせるフィニッシュとなりましたが、その躍進には『バブル』特有の事情が絡んでおり、『日常』が戻ってきた時に同じバスケットが再現できるとは限りません。

そしてサンズは、何かきっかけをつかんだように感じては、オフの補強に失敗してふりだしに戻るのが恒例行事となっているチームでもあります。今回の成功を運や勢いと揶揄されないためにも、ただ8連勝という結果ではなく内容も冷静に分析し、次のステップアップへと繋げることが大切になります。

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