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スパーズとのプレーオフ初戦、守備を引き締め完勝

王者ウォリアーズが今シーズン掲げる最大の目標は、NBAにとって4年ぶりの2連覇達成に他ならない。だが、概ね順調だった昨シーズンとは異なり、今シーズンはケガ人に悩まされた。

ステフィン・カリーが右足首に不安を抱え、ドレイモンド・グリーンも序盤からヒジと肩に痛みを抱えながら出場を続けている。レギュラーシーズン終盤にはケビン・デュラントが肋骨骨折、クレイ・トンプソンが親指骨折で離脱。カリーに至っては足首の負傷から復帰した試合で左ひざの靭帯を損傷し、スパーズとの西カンファレンス1回戦を全休する見込み。ケガの状態は決して良くないようで、離脱がさらに長引く可能性もある。

それでも、カリー不在にもかかわらずウォリアーズは『スーパーチーム』だった。短期決戦に強いと見られるスパーズを相手に、王者は初戦で圧倒的なパフォーマンスを見せた。オラクル・アリーナでのプレーオフ開幕戦、一度もビハインドを背負うことなく113-92の快勝。スパーズのフィールドゴール成功率を40%に抑えたディフェンスの勝利だった。

これは王者にとって、メディアの懐疑的な論調との戦いでもあった。カリー不在、主力のコンディション不良、そしてレギュラーシーズン終盤戦に不甲斐ない戦いを見せたことで「万が一の可能性」を煽るメディアに、最高の形で返答したことになる。

12得点8リバウンド11アシスト2スティールと、この試合でもマルチな活躍を見せたドレイモンド・グリーンは、この試合を前に「万が一のことがあればスーパーチーム解体の可能性も」と論じたメディアに苦言を呈していた。

グリーンは『The Athletic』に、「毎シーズン優勝するなんて現実的な話ではない」と語る。「皆はスパーズが理想的なフランチャイズと口にしている。ここ20年か25年くらい同じことが言われていると思うんだけれど、彼らは2年連続して優勝していない。それでも、引退した選手を除いて、優勝メンバーの大半は残っている」

「つまり、『優勝できなかったか。よし、チーム解体だ』なんて馬鹿げた考えなんだ。そんなことをすれば、元に戻す機会は二度と得られなくなる」

彼が言うように、これから先、カリー、デュラント、トンプソン、グリーンのようなスター4選手が、揃って全盛期に一つのチームに集結することが再現するとは考え難い。ただ、球団経営の観点で言えば、どこで方向転換をするのか見極めるのは極めて大事。少なくとも、結果を残せている間はアンドレ・イグダーラやショーン・リビングストンらセカンドユニットの選手にも高額な年俸を支払うが、勝てなければ変えるべき部分は変える、という考えに至るのが自然だ。

優勝候補は結果を残して当然と言われる世界において、王者ウォリアーズは2連覇以外の重圧にも打ち勝たなければならない。