ガードナーとハミルトン、威力抜群の二頭体制
シーズン終盤になっても混戦が続く中地区の2位争い。新潟アルビレックスBBはここまで20勝28敗と借金8の地区5位ながら、24勝24敗で2位につける名古屋ダイヤモンドドルフィンズとのゲーム差は4と、チャンピオンシップ進出の可能性を残している。その名古屋Dをアオーレ長岡に迎える今節は、2つとも勝つことが絶対条件だ。
昨日の第1戦、その意気込みが立ち上がりから出た。名古屋Dのオン・ザ・コート「1」に対して「2」を選択した新潟は、ダバンテ・ガードナーとラモント・ハミルトンを併用。ガードナーは得点王争いトップを独走する強力なスコアラーで、名古屋Dはジャスティン・バーレルをマークに付けた。悪い時の新潟は状況を考えずガードナー頼みになってしまうが、この試合ではハミルトンにボールを集めることでスタートダッシュに成功する。
ハミルトンはミスマッチを生かしつつ、それでも強引に一人で攻め込まずに起点となるプレーを選択。自らが難しいジャンプシュートを沈めて先制したが、その後は今村佳太の2本の3ポイントシュートをアシストするなど試合開始から12-0のランの主役となった。
逆に名古屋Dはバーレル頼みの悪癖が出て、ズレを作れないから仕方なくポイントカードの笹山貴哉が強引にアタックに行かざるを得ない悪い形に。ベテランの大宮宏正、シュートタッチの良かった中東泰斗の働きで立て直すも、35-46とビハインドを背負って後半へ。
逆転した名古屋D、突然のブラックアウト
両チームともオン「1」の第3クォーター、バーレルが立ち上がりの汚名返上とばかりにガードナーをほぼ完璧に封じたことで、新潟はそこまで好調だった3ポイントシュートも止まり、名古屋Dに流れが傾く。前半は圧倒されたリバウンドも踏ん張り、10-0のランで45-48まで一気に差を詰めて接戦へと持ち込む。
第3クォーター残り2分、試合を通してボールへの執着心で上回る新潟が2度のオフェンスリバウンドを奪う波状攻撃を仕掛けるが、名古屋Dはペイントエリアを固めてこれをしのぐと、笹山が強引なアタックで相手の注意を引き付けてパス、バーレルが余裕のダンクを決めて56-55と逆転に成功する。
しかし、ここで第3クォーター出ずっぱりで攻勢を主導したバーレルと安藤がベンチに下がると、名古屋Dはブラックアウトしてしまう。ガードナーが最初のポゼッションでファウルを誘い、フリースロー2本を決めてリードを奪い返すと、城宝匡史がショットクロックぎりぎりのタフショットを沈めて59-56と突き放して第3クォーターを終える。
そして最終クォーター立ち上がりからオフィシャルタイムアウトまでで9-1のラン。オフィシャルタイムアウトに入る直前、森井健太の絶妙なアシストからオースティン・ダフォーがイージーシュートを決めた場面で勝敗は決した。最終スコア78-65で新潟が完勝している。
殊勲のハミルトン「自分たちは強くなると思う」
新潟はガードナーの21得点に対してハミルトンが20得点と奮起したことで、ガードナー依存から抜け出せたことが大きな勝因となった。そのハミルトンはこう語る。「コート上ではチームメートに声をかけることを心がけていたし、全員で意思統一するためには必要なこと。それができれば自分たちは強くなると思う。みんながチャンピオンシップへ進出したいと思っているし、そのために努力できる選手が揃っている」
出場11選手のうち10選手が得点しており、さらにはアシストを依存する五十嵐圭が目立たない試合でも78得点を奪っており、特にオフェンス面でのアンバランスが解消された試合だった。またディフェンス面でもよく足が動き、全員がリバウンドやルーズボールに執着心を見せた。
この出来を続けられれば、混戦の中地区2位争いを制することは十分に可能なはずだ。そのためにも今日、名古屋Dに連勝することが重要。名古屋Dはこれで4連敗で、辛うじて2位をキープしているものの、もはや余裕は全くない。必死に食らい付いてくるであろう名古屋Dを今日も仕留められれば、ゲーム差が1となり、チャンピオンシップ進出が見えてくる。
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