文=丸山素行 写真=FIBA.com

個のディフェンス力と速攻が噛み合い快勝

U-16アジア選手権が開幕し、日本は初戦でレバノンと対戦した。レバノンの192cmに対し184cmと平均身長で下回る日本だが、個のディフェンス力、さらには速攻とシュート精度の高さで上回り94-68と圧勝した。

序盤は互いに点を取り合い拮抗するが、技術に勝る日本が高いシュート精度と連携力の高さで次第に上回るディフェンスでも足を使ったディフェンスでコースをふさぎタフショットを誘発する。ズレをほとんど作らせず、第2クォーターには約5分半、レバノンの得点をフリースローによる2点だけに封じた。

前半を46-33と2桁リードで折り返すと、第3クォーターでは堅守に加え、トランジションオフェンスが爆発する。タフショットを打たせリバウンドを取ると、素早く前線にボールを送り速攻を繰り出した。特にトランジションを司る富永啓生と河村勇輝のスピードが目立った。

相手が横に並ぼうが力強くフィニッシュまで持っていき、シュートが外れても2番目を走る選手がフォローして得点を重ねていく。この第3クォーター、日本が堅守速攻で29-13と圧倒し、最終クォーターを待たず勝負を決めた。

田中力は強気のアタックで存在感を見せる

日本は富永の15得点を筆頭に6人が2桁得点を記録。注目の田中力は、約20分間の出場で12得点を記録するも、シュート精度が上がらず、フィールドゴールは14本中3本(21.4%)と低調だった。それでもドライブで打開してシュートまで持って行くことのできる力を見せ付け、難しいシュートを選択したことで確率は上がらなかったが、強気の姿勢は評価できる。

相手が格下だったこともあるが、高いハンドリング技術とスピードで何度も相手を抜き去ったドライブの力はこの試合では際立っていた。今後、試合を重ねる中でフィニッシュの精度を上げることはもちろん、周囲を生かし、生かされるプレーにも期待したい。

決勝トーナメント進出は最低限のノルマ。勢いを持って上位に進むために、グループリーグのインド戦、韓国戦はすべて勝利して1位通過を狙いたい。明日のインド戦今日と同じく18時(日本時間19時)ティップオフとなる。