ジャマール・クロフォード

長く孤独なトレーニングを続け、チャンスを得る

ネッツと契約したジャマール・クロフォードは、最後に出場した公式戦で51得点を記録し、NBA史上最年長(39歳と20日)での50得点超えをやってのけた。

ただ、それは2019年4月10日のこと。その後も現役続行を表明するもオファーは届かず、無所属のまま1年以上が経過した。もし新型コロナウイルスの影響がここまで世界的に広がらず、NBAのシーズンが中断されていなかったら、クロフォードが再びNBAのコートに立つことはなかったかもしれない。

たとえそうなっていても、最後に出場した試合で歴史に残るパフォーマンスを披露できたのだから、最後の花道としては上々だ。こう考える選手は少なくないし、クロフォードが引退を決意していたら、そんなコメントを残していたかもしれない。だが彼は、記録より現役選手としてのプレーを少しでも長く続けることにこだわり、長く孤独なトレーニングを続けていた。

そして、ようやくチャンスが巡って来た。ネッツの一員としてNBAシーズン再開を迎えるのだ。クロフォードは、『New York Times』に「自分にとっては、最後に出場した試合よりまたプレーする機会の方が大切だった」と語る。

「最後に出場した試合の内容より、バスケへの情熱が上回る。神様に自分の思いを伝えたら、『身を引いて、見ていたらいいじゃないか』と言われるだろうね。みんなからのポジティブなエネルギーに感謝している。感謝しても足りないくらいだ」

ネッツにとってカイリー・アービングとケビン・デュラントの欠場は想定内でも、スペンサー・ディンウィディーが新型コロナウイルスに感染してチームを離れたのは想定外の出来事。ただ、そのおかげでクロフォードにチャンスがやって来た。

ディアンドレ・ジョーダンも感染が分かり、ウィルソン・チャンドラーは家族を優先して不参加が決まっている。ネッツとしては非常に厳しいが、クロフォードにとってはチーム状況はさして関係ない。NBAプレーヤーとしてどれだけの力を見せられるか、自分のベストを尽くすことだけを考えているはずだ。