「ラスが力になってくれたことは本当にうれしかった」
ジェレミー・グラントはサンダーに所属した2016-17シーズンからの3年間で大きくステップアップし、昨年のオフにナゲッツにトレードされた。
『Yahoo Sports』記者のクリス・ヘインズが司会を務めるポッドキャスト番組も出演したグラントはこれまでのキャリアを振り返り、サンダー時代のラッセル・ウェストブルックの叱咤激励が自分を成長させてくれたと感謝の言葉を語った。
「マイケル・ジョーダンに近いタイプのリーダーシップを発揮する選手は誰か」という問いに対してグラントは、「僕が出会った中ではラスだね。彼は、いつだって自分に火を点けてくれる」と、ラッセルブルックの名前を挙げた。
「以前の僕は自信なんかこれっぽっちもなく、いつも不安だった。サンダーにトレードされてから、練習で彼からパスを受けても躊躇してしまい、シュートできないこともあった。そのたびに『さっさとシュートを打て!』と怒鳴られたよ。ラスは僕にとって兄のような存在だ。僕の才能を信じて、チームの助けになると思ってくれた。ラスが力になってくれたことは本当にうれしかった」
1997-98シーズンのブルズとマイケル・ジョーダンに迫ったドキュメンタリー作品『The Last Dance』には、2度目のスリーピート(3連覇)達成に向け、鬼気迫る表情でチームメートに容赦なく100%の献身を求めるジョーダンの姿が収められている。グラントは、ウェストブルックのリーダーシップは、ジョーダンほど激しくはないと説明した。
「いろいろ怒られたけど、それを個人攻撃だとは思わなかった。ラスとジョーダンは少し違う。ジョーダンはもっと攻撃的だ。あのドキュメンタリーを見た限り、言葉や態度にトゲがあると感じた。ラスの言葉はより『建設的な批判』であり、『愛のムチ』と呼ぶべきかな。力がある選手と思うからこそ、彼らしいやり方で追い込んでくる。そのおかげで成長できたわけだから、彼のやり方を悪く受け止めたことは一度もなかった」
ナゲッツに移籍したグラントは、主にセカンドユニットでの起用ながらも今シーズン平均11.6得点、3.5リバウンド、1.2アシスト、0.8ブロック、0.7スティールを記録している。ウェストブルックと出会っていなければ、今のグラントはなかった。他ならぬグラント自身がそう思っている。