「未来はきっと良いものになると自分に言い聞かせる」
ナゲッツは今年のNBAドラフトの指名権を持っていなかった。1巡目指名権はアーロン・ゴードン獲得のために譲渡しており、代わりの指名権をトレードで得る動きもなかった。しかし、チームには期待の新戦力がいる。昨年のNBAドラフトでサンズとのトレードで指名順位を上げて獲得したダロン・ホームズ二世だ。
昨年のサマーリーグで彼は右足アキレス腱を断裂し、ドラフトからわずか2週間、ルーキーシーズンは開幕さえできずに終了した。デイトン大で3年までプレーした彼は即戦力と見なされていたが、ケガのせいでデビューすることもできなかった。
それでも2年目のサマーリーグで彼は復帰した。「今は100%のコンディションを取り戻した。メンタル面でも準備はできている。ここから新たなスタートだ。歩けるようになり、走れるようになって、これからバスケを取り戻すんだ。1年も試合から遠ざかっているから、コートに立てるだけで興奮するよ」
現地7月10日のバックス戦で1年ぶりの戦線復帰を果たしたホームズ二世は24分の出場で15得点4リバウンドを記録。まだ動きにぎこちなさはあったが、フィールドゴール9本中6本成功、3ポイントシュートも3本を決めて、ブランクを感じさせないシュートタッチを見せた。「楽しかったけど、まだまだ調子を上げていかなきゃいけない。ケガなく復帰戦を終えられたことに感謝している」と彼は語る。
「コートに出て全力を尽くし、プレーを楽しむ。そして、勝利とは何かを実際に感じたい」とホームズ二世は言う。「昨シーズンはチームの戦いぶりを眺めるだけだったけど、今度はその一員になれる。この1年は全員から少しずつ、すべてを学んだ。みんな僕にアドバイスをくれて、その一言一言に耳を傾けた。トレーナー陣は僕の回復を助け、時々は厳しすぎると思うぐらい厳しかったけど、おかげで成長できたと思う。ケガが治っただけじゃなく、筋肉がついてフィジカルが強くなり、自信を持ってコートに立てている」
ホームズ二世はティンバーウルブズ戦では26分で8得点6リバウンド、ラプターズ戦では29分で10得点11リバウンドを記録し、試合を重ねるごとにリズムを取り戻している。
「去年のケガは悲劇だった。『またケガをするんじゃないか』と思ってしまう瞬間もあるけど、心配しすぎても良いことはない。未来はきっと良いものになると自分に言い聞かせて前に進むよ。過去は過去。今は新たなスタートなんだ」
サマーリーグでのホームズ二世はセンターとしてプレーしているが、ナゲッツではパワーフォワードのポジションでゴードンのバックアップとしてペイトン・ワトソンやジーク・ナジとプレータイムを争う見込み。
ナゲッツは昨シーズン終盤に指揮官マイケル・マローンが解任された。その理由は若手の成長にフォーカスしなかったことだと言われている。その後はすぐにプレーオフに入ったにもかかわらず、ジュリアン・ストローサーやペイトン・ワトソン、ジェイレン・ピケットといった若手のプレータイムは増えた。ホームズ二世にもチャンスは与えられるはず。そこで結果を残せるかどうか、すべては彼次第だ。