クラブの目標に沿った選手補強でチームを色付けしていく
「2019年11月2日、横浜国際総合競技場でトロフィーを掲げるイメージはできている」
日本ラグビーの知名度を一気に高めたエディー・ジョーンズは今、イングランド代表監督として2019年までの明確なプランを描く。その成果はすでに現れており、エディー体制になってから9連勝を挙げ、昨年のワールドカップ後は8位だったランキングを2位まで引き上げた。「どんなクラブでも最初に目標を定め、そこに向かって逆算するように強化を進めていく」のがエディー流であり、多くの知将、名将は同じプロセスを踏んでいる。
9月22日より開幕するBリーグ。スタートダッシュを目論む各クラブは頭を悩まし、それを支えるファンは期待に胸を膨らます時期である。現状を分析しながら、目標に向かって引かれたラインにどのような戦力補強を行っていくか、オーナーやGMは見極めなければならない。
昇降格があるBリーグでは、補強しなければ競争に勝つことはできない。地元出身の大物選手や、日本人だけではなくNBAも含めたスター選手を獲得できれば、それが話題となり集客増が見込める。すでに発売されているクラブもあるシーズンチケットが売れることでチーム運営の目処が立つ。アリーナが埋まれば、比例するようにスポンサーも増えていく。2008年、田臥勇太を獲得した栃木ブレックスがその好例であり、選手補強はクラブに好循環を生み出す起爆剤となる。
多くのB1クラブは、Bリーグ初制覇に照準を合わせているはずだ。NBLでもbjリーグでも優勝争いに届かなかったクラブは、3年や5年などの中期計画で優勝を目標に据え、逆算して今ある戦力のレベルアップを図っていかねばなるまい。B2クラブも来シーズンのB1昇格を目指し、各クラブがどんなカラーで染められていくのか楽しみである。すでに公示されている自由交渉選手リストは、各クラブが上向くためのカギを握っており、興味深い。
今晩7月1日夜7時7分、新潟アルビレックスBBから何か重大発表が行われる。すでに新体制へ向けた発表会見は済んだが、まだ6名しか選手契約は終わっていない。今週初めに地元紙を賑わせた交渉中の五十嵐圭が、地元凱旋の発表を行うのではないかと勘ぐってしまう。今夜の新潟公式facebook上でのライブ中継に注目したい。
引く手あまたの日本人ビッグマン。竹内兄弟はどこへ行く?
これからオリンピック世界最終予選に向かう竹内公輔と譲次は、移籍市場に名前が残っている。身長の高い帰化選手や太田敦也がいる三遠ネオフェニックス以外、どのクラブにとっても日本人ビッグマンは欲しい存在だ。
外国籍選手を使えるのは各ピリオド最大2人で、試合を通じて最大6枠。試合毎に各クラブがその起用法を設定することができ、例えば1~3ピリオドまで2人をコートに出すと、4ピリオドはオンザコート0で戦わなければならない。しかし、日本人ビッグマンがいればその戦術も可能となり、大きなメリットになり得る。
このルール変更においても、竹内兄弟がどこに落ち着くかに注目が集まる。このツインズは大阪生まれ、本格的にバスケを始めた洛南高校は京都にある。その2都市には大阪エヴェッサと京都ハンナリーズのプロクラブが存在する。大阪には久保田遼、京都にも佐藤託矢がいるが、いずれも198cmであり、ビッグマンとは言えない。竹内兄弟が加われば、待望の日本人ビッグマンを手に入れるとともに、彼らの経験もクラブにとっては大きな戦力となるが……行方はいかに!?
ラストシーズン、NBLのファイナルを戦ったシーホース三河と川崎ブレイブサンダースには、いずれも自由交渉選手リストに載る選手がおらず、戦力が充実していることを物語っている。bjリーグチャンピオンの琉球ゴールデンキングスもチームを去ったのはドゥレイロン・バーンズとイバン・ラベネルの外国籍選手だけに留まっている。NBLの半分程度の6000万から7000万円だった、bjリーグの低いサラリーキャップから開放されたことで、大物獲得が期待される。
得点源であり、チームの柱であるライアン・ロシターと再契約を果たした栃木ブレックス。しかし、日本代表キャプテンの田臥勇太は6月10日時点で契約満了となっており、今後の移籍先に関する噂が飛び交う。出身地である横浜ビー・コルセアーズは打診しないのか? 宇都直輝(富山グラウジーズへ移籍)、二ノ宮康平を切ったアルバルク東京のポイントガードを埋めるのでは? 田臥フィーバーで一気に話題をさらって、格を上げたいクラブが今なお水面下でお財布と相談しながら頭を悩ましていることだろう。あくまで酒席の噂話の域を出ないが、そんな妄想をするのも楽しい季節だ。
全国的に晴れ間が広がる7月1日金曜日。仕事を終えた後、ビアガーデンで夜空に輝く星を選手に見立てながら、応援するチームのオーナー気分でスターを獲ってくる妄想話に花を咲かせてもらいたい。Jリーグ黎明期、一気にサッカーの会話が日常に入り込んできたように、Bリーグや日本バスケがより一層盛り上がるには、普段からバスケが話題にされることが近道である。
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