ダニー・エインジ

「ロンドの目を見て話す機会がなかったら、獲得していなかった」

毎年6月下旬に実施されているNBAドラフトは、新型コロナウイルスの影響により開催時期が決まっていない。今はまだ、NBAの2019-20シーズンが再開されるかも未定で、まずはシーズンをどうするかが決まってから、それ以降の予定を検討すると見られている。

NCAA(全米体育協会)は新型コロナウイルスの拡大を防ぐために、NCAAバスケットボール・トーナメントの中止を決定した。近年では欧州のプロリーグで活躍する選手もNBAドラフトにエントリーしているが、やはりドラフトの中心はアメリカの大学で結果を残した選手だ。

ただ今年は、NBAスカウトにとって指名候補のパフォーマンスを直に見る機会がなくなってしまった。さらに選手の人間性を見る直接面談の機会も設けられず、ワークアウトに招くこともままならない以上、ドラフトの日程が決まっても、各チームのGMは指名選手の検討に頭を抱えることになる。

セルティックスのGM、ダニー・エインジはメディアとの会見で、2006年のドラフトで獲得したラジョン・ロンド(全体21位でサンズが指名し、セルティックスがトレードで交渉権を獲得)を例に挙げ、指名前の面談の重要性を話した。

「ラジョン・ロンドが良い例だ。もしドラフト前に彼と直接会っていなくて、目を見て話す機会がなかったら、僕たちは彼を獲得していなかったと思う。直接話して彼がどういう人物かを知ることが大切だった」

もちろん面談が必要ではないケースもあるとエインジは語ったが、今年のドラフト前の準備に関しては、例年とは大きく異なると認めている。スカウトの見立て、プレー映像、そしてオンラインでの面談など、これまでとは勝手が違う形で各チームの編制担当は選手の力量を見極めなければならない。