琉球の策にハマりながら、反撃の機会を逃さず
天皇杯ファイナルラウンド、準々決勝の4試合目は川崎ブレイブサンダースと琉球ゴールデンキングスの対戦。
立ち上がりは琉球が上回る。川崎のエース、ニック・ファジーカスにズレを作られてもスイッチした選手が粘り強く付いてフリーにせず、第1クォーターにファジーカスを2点シュート成功ゼロに抑える。オン・ザ・コート「1」の状況、外国籍選手のいない川崎に対しハッサン・マーティンとアイラ・ブラウンを同時起用できるメリットを生かし、インサイドで圧力を加えつつ二ノ宮康平、アイラ、再び二ノ宮と高確率で3ポイントシュートを決めて先行した。
しかし、第1クォーターが終わってみれば23-18とリードはわずか5点。ファジーカスが2本、さらに辻直人も2本、長谷川技も1本と5本の3ポイントシュートを決めて、ゴール下のファジーカスを封じられながらもダメージを最小限に抑えた。
そして第2クォーターに逆襲する。ジョシュ・デービスとルー・アマンドソンでインサイドの守備を固め、篠山竜青を起点とするトランジションバスケットであっという間に逆転。相手のファウルがかさめば巧みにフリースローで得点を重ね、39-29と2桁のリードを奪って前半を折り返す。
再び両チームともオン「1」の第3クォーター、琉球はファウルトラブルで前半ほとんどプレーできなかった岸本隆一がオフェンスを引っ張るも、川崎は第1クォーターの失敗を繰り返さずファジーカスと鎌田裕也がゴール下の守備で奮闘し、帰化選手不在のマイナスを感じさせない。堅守があれば攻撃のリズムも良くなる。素早いパスワークで琉球ディフェンスを翻弄して、3ポイントシュート4本中3本、2点シュート9本中7本とハイペースで得点を重ね、65-45とリードを20点に広げた。
「場数はウチのほうが踏んでいる」と語る経験の差
オン「1」の第3クォーターに追い付かなければいけないところを逆に突き放されては琉球に勝ち目はない。最終クォーター、川崎はきっちり試合をコントロールして20点前後のリードを保って時計を進め、81-61の完勝を収めた。
川崎の北卓也ヘッドコーチは「場数はウチのほうが踏んでいる」と経験の差を強調した。勝因はこれまでの課題とされてきたパワーフォワードの守備。オン「1」の時間帯は鎌田が踏ん張り、オン「2」では新加入のアマンドソンが貢献した。「鎌田は想定どおりの働きです」と指揮官は話すが、その表情は柔らかい。外国籍選手あるいは帰化選手とのマッチアップを何とか乗り切った鎌田の貢献は小さくない。アマンドソンについては「ディフェンスはすごく良いです。あとは試合をする中でコンディションは上がっていくだろうし、ジャッジも含めて日本のバスケットに慣れてくれれば」と今後への期待を寄せた。
中1日を置いて、準決勝ではシーホース三河と対戦。「もう何回もやっている相手ですから、明日はしっかり休んで、明後日に備えます」と北ヘッドコーチは言う。6日の準決勝は16時から京都ハンナリーズvs千葉ジェッツ、18時からシーホース三河vs川崎ブレイブサンダースとなる。
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