決勝の舞台で『レイラ頼み』から脱却した大阪桐蔭、真のチーム力を発揮し初の栄冠

2017/12/31
プレーヤー
1771

文=丸山素行 写真=鈴木栄一

チームバスケでダブルオーバータイムを制す

ウインターカップ女子決勝戦は2度にわたる延長の末、大阪桐蔭(大阪)が初優勝を成し遂げた。ベスト4と躍進したインターハイからウインターカップまで、大阪桐蔭は竹原レイラのチームだった。185cmのサイズと身体能力、スキルも備えた竹原は、ウインターカップでも決勝までの4試合で平均29得点を記録しており、まさにチームの大黒柱だった。

だが、決勝戦では試合巧者の安城学園(愛知)が徹底的な対策を打って来た。竹原に無策で挑むチームはいないが、安城学園のそれは徹底していた。ボックスワンやゾーンプレス、マンツーマンディフェンスを駆使。竹原はフィールドゴール15本中3本成功のわずか7得点と抑えられた。さらに延長に入ると5ファウルでコートを去った。

大阪桐蔭にとっては典型的な負けパターン。それでも第4クォーターに10点ビハインドを追い付いて延長に持ち込み、ダブルオーバータイムの末に競り勝つことができたのは、この土壇場で『竹原レイラのチーム』を脱却できたからに他ならない。ベンチメンバーを含めた総力戦で、初の栄冠を手にした。

キャプテンの永田舞は第4クォーター6点差を追いかける場面で貴重な3ポイントシュートを沈めた。「出だしで固い状態で入ってしまって、自分たちのバスケットができなかったですが、レイラが抑えられてしまった時に周りが全員でバスケットができて良い形で勝つことができました」と語る。

センターの竹原が力を発揮できない状況、パワーフォワードの永井唯菜はオフェンスリバウンドを拾い続けポゼッションを渡さず、17得点17リバウンドを記録。彼女は声援を力に変えて奮闘していた。「最後は自分のできることをしっかりやろうと思ってやりました。コートに立っている5人の他にもベンチにいるみんなや応援してくれてる方の声を聴いて、最後まであきらめずに戦うことができました」

ラストゲームで『あきらめモード』から脱却

竹原が封じられた中で最も存在感を放ったのがポイントガードの鈴木妃乃だ。一際小さい156cmの身体で、ダブルオーバータイムの50分間をただ一人フル出場。「めっちゃしんどかったんですけど、気持ちで乗り切りました」と笑顔で話す鈴木は、8本の3ポイントシュートを含む27得点、5アシスト、3スティールと3つのスタッツでゲームハイを記録した。

ダブルオーバータイム残り1分を切って鈴木のフリースローで84-84の同点に追い付くと、続くポゼッションで攻め気を見せつつ小林明生へボールを託す。「絶対シュートを打とうと思って行ったんですけど、(小林が)合わせるのが見えたのでとっさにパスしました」と振り返る鈴木のアシストから決勝点が生まれた。

鈴木は言う。「インターハイも国体も全部レイラに頼りっぱなしで、レイラが止められたら他の人は止まってしまっていました。いつもならあきらめモードに入ってましたが、『絶対勝ちたい』っていう強い気持ちが5人ともあって頑張りました。最後まであきらめず、5人で戦うことができて良かったです」

東京体育館のコート上で成長した大阪桐蔭

ウインターカップ2017、女子は大阪桐蔭の初優勝で幕を閉じた。大会を通じて印象的だったのは、高校生プレーヤーたちは東京体育館のコート上でもグイグイと成長するということ。大阪桐蔭は決勝のコートで『レイラ頼み』を脱却。最大のピンチを乗り切り、『女王』となった。