掲げた理念は『バスケットボールで日本を元気にします』
6月25日、日本バスケットボール協会(JBA)は三屋裕子会長を始めとする新体制を発表した。これまで副会長だった三屋が会長となり、FIBAタスクフォースからJBAの組織改革に手腕を振るった川淵三郎は「エグゼクティブアドバイザー」として三屋のバックアップに回る。
川淵前会長は「会長就任から1年、ようやく改革の目途が立ち、三屋新会長に会長職を委ねられるのは幸せに思います」と挨拶。
「三屋新会長には、スポーツ界を改革しようという強い気持ちをもって就任していただきました。スポーツ界というのは競技の専門家だけがいればうまくいくわけではなく、ガバナンスということからいうと、経営能力、発信力、リーダーシップなど、さまざまな要素が専門性よりも必要となっていきます。そういう意味では、バスケットボール界がサッカーやバレーなどが入っていって大きく変わったことは、スポーツ界にとっても非常によいことだったかと思います」
三屋新会長はバレーボール界の出身。筑波大学在学中から日本代表として活躍し、1980年のモスクワ五輪ではボイコットで出場を逃すも、続くロス五輪では銅メダルを獲得している。引退後は教員を務め、のちにスポーツイベント会社の経営者に転身。2006年からはJリーグ理事、07年からは日本バレーボール協会の理事を務めた。トップアスリートとしてのキャリアがありながら、スポーツ以外の分野でも多彩な経験を持つ。
「あらためて身の引き締まる思いです」と三屋新会長は語る。「この1年半、一致団結し、様々な変革にチャレンジし、実際に様々なことが変わり始めています。今、この変革の歩みを止めてはなりません。いまだ発展の途上であり、何も成し遂げてはいないからです。今後の日本バスケットボール界の発展のため、覚悟を決めてこれからも挑戦し続けることこそ、私たちの使命です」
『バスケットボールで日本を元気にします』──。これが新生JBAの理念だ。
「私も、そして皆さまも、道に迷った時、変革の勇気がしぼみかけた時には、その理念に立ち返りましょう。必ずや進むべき道を再確認できるはずです」