レブロン・ジェームズ

「人よりも少ないステップで物事を乗り越えられる」

レイカーズのレブロン・ジェームズは、35歳にして今シーズン平均25.7得点、7.9リバウンド、10.6アシストを記録し、チームの大黒柱として活躍している。

プロの世界で戦う以上、ケガと無縁ではいられない。35歳ともなればエリート選手でも身体の衰えが出始め、セカンドユニットに回る選手が少なくないが、レブロンは衰えを感じさせることなく活躍を続けている。

レイカーズのアシスタントコーチであるジェイソン・キッドは40歳まで現役を続け、マーベリックスに在籍した38歳の時にキャリア初優勝を達成した。キッドはレブロンがNBAトップレベルで活躍し続けている理由を『Sports Illustrated』の取材で語った。

「レブロンほどのバスケIQがあれば40歳までプレーを続けられるよ。例えば6マイル(約9キロ)を走るレースがあるとする。でも彼のIQなら5マイル(約8キロ)で済む。人よりも少ないステップで物事を乗り越えられるってことさ。試合中の記憶力もすごいし、瞬時に物事を判断できる。まるで映画を倍速で再生するかのように、レブロンは次に起こることを予測しながらプレーしているんだ」

キッドは2008年の北京オリンピックでチームUSAとしてレブロンとともにプレーし、今も近くでプレーを見ているからこそ、彼のバスケIQの高さを実感しているのだろう。

クリッパーズの指揮官ドッグ・リバーも以前、「NBAではレブロンと同じような身体能力の選手はたくさんいる。しかし、彼ほどの頭脳を持つ選手はここにはいないよ」とレブロンのバスケIQを絶賛していた。

レブロンが35歳になった今でも活躍し続けているのは、もちろん日々の努力があってこそ。それでも彼は相手が10歳以上若い選手だろうと持ち前のバスケIQを生かして戦い、キャリア17年目にしても成長し続けている。