全体1位指名はシクサーズがベン・シモンズを選択
6月23日、NBAドラフトが開催された。即戦力を求めるチームや、ポテンシャル重視で近い将来に活躍を期待するための指名など、チーム事情によって指名する選手が変わり、来シーズンを占う大事なイベントである。
セブンティシクサーズから全体1位での指名を受けたのはベン・シモンズ。208センチのサイズでありながら身体能力が高く、高さと速さを兼ね備えたオールラウンダー。ゆえにパワーフォワードもスモールフォワードもこなせ、マークするのが難しいプレイヤーだ。シクサーズとしては、昨シーズンに上位指名したジャリル・オカフォーがフィットしなかっただけに、このシモンズには即戦力として活躍してもらいたいところ。
2位はレイカーズに指名されたブランドン・イングラム。ボールハンドリングに長け、巧みなドリブルで相手を抜き去るスコアラーだ。3ポイントシュートもあり、精度も高く、ランニングプレーでも威力を発揮する。コービー・ブライアントの抜けた後、「チームの顔」になることが期待される。ただしNBAプレーヤーとしては線が細く、フィジカルの弱さを指摘されており、まずはサイズアップからのスタートかもしれない。
3位はセルティックスがジェイレン・ブラウンを獲得。201センチと高さがあるほうではないがボディバランスに優れ、ペイント付近でもバスケット・カウントをもぎ取ることができるプレイヤー。チームの得点力不足を埋める働きに期待したい。
4位はサンズがドラガン・ベンダーを獲得。213センチのビッグマン。高さの割に線は細いが、それだけスピードがある。ミドルシュートもポストプレーもこなし、パスの供給係としても申し分ない。クロアチア出身で、昨シーズンに大ブレイクしたクリスタプス・ポルジンギスに続く存在になる素材として注目される。
5位はウルブズがクリス・ダンを獲得。高い得点能力を持つ『剛』のポイントガード。その中で広い視野を持ち、アシストパスもさばくことができる。ターンオーバーの多さがやや目立つが、チームメートのリッキー・ルビオとの質の違うゲームメイクに期待したい。
6位はペリカンズがバディ・ヒールドを獲得。3ポイントシュートを得意とするシューティングガード。ノーマークを作ってパスを受けるタイプのシューターではなく、自らドリブルで仕掛けることができ、パスもさばける。フォワードに近い、攻撃型のシューティングガードだ。
7位はナゲッツがジャマール・マレーを獲得。高いハンドリング技術と3ポイントシュートが魅力のコンボガード。ミスを恐れない積極性と得点能力の高さで存在感を示せるだろうか。
今回はNBAドラフトの『神7』を紹介した。例年、1位指名や上位指名の選手が全く活躍できなかったり、逆にあまり期待されていなかった選手が予想以上の活躍をするなど、指名順が今後の成績に直結するわけではない。むしろ、プロ選手に揉まれてトレーニングを積む、これから開幕までの準備期間のほうが大事なぐらいだ。新人たちのフレッシュな力で、来シーズンもNBAを盛り上げてほしい。