WCプレビューvol.27福岡大学附属大濠(福岡)片峯聡太「守り勝ったインターハイから、走って点を取るバスケを形に」

2017/12/23
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取材・写真=古後登志夫 構成=鈴木健一郎

インターハイの優勝で福岡大学附属大濠を率いる片峯聡太監督はまた株を上げた。それでも本人は謙虚すぎるほど謙虚で、「未熟な監督が周囲に支えてもらっている」との姿勢を崩さない。ただ、驕りは一切なくても、勝利へのこだわりは人一倍強い。「勝負事は勝たにゃいかん」という先代の田中國明総監督の志を、その意味では完璧に受け継いでいる。インターハイ王者ではあっても、ウインターカップでは1993年から優勝から遠ざかっている。昨年は北陸を相手に2回戦敗退。福岡大学附属大濠はチャレンジャーとして必勝を期し、東京体育館に乗り込む。

[INDEX]ウインターカップ2017プレビュー 出場校インタビュー

「インターハイはどちらかと言うと守り勝ちました」

──インターハイを優勝して何かチームは変わりましたか?

3年生がちょっと浮かれるのかなと思ったのですが、そういった驕りは一切なく。このチームの3年生は、1年の頃からみんなコツコツと努力ができる選手だったので、引き続きそういった姿が見れてウィンターカップに向けても十分に期待できるチームだと感じさせられました。

──では下級生はどうでした?

特に1年生には気が抜けているところがありました。ウインターカップ県予選の福岡第一さんとの試合があった11月3日、お互いが3年生を中心にしているんですが、その他のラインナップを見て来年のチームを考えた時に、第一さんには有力な選手がかなりいました。それで「よく考えろ」という話をしました。

下級生の選手たちに今回のウインターカップではそこまでプレータイムはないかもしれませんが、もう戦いは始まっているんだから、うかうかしている暇はないぞと。常に3年生を追い越して自分がレギュラーになって試合に出るという気持ちでやっていかないと。「1年生だからいいや」とか「メンバーに入っているからいいや」という思いでは、自分たちの代になった時に痛い目を見るぞ、という言葉は強くかけました。

──チームとしてはインターハイ後にどんな成長がありますか?

少しずつではありますが、トランジションのスピードが速くなり、ブレイクが出る回数が増えています。ここはチームとして求めてきたことなので、やや手応えは感じています。

──今回のウィンターカップで勝ち上がるためにどう見ていますか?

インターハイはどちらかと言うと守り勝ちました。相手の失点を抑え、それより1点でも多く、というバスケットで何とか勝ち抜いた大会だったんです。しかしウインターカップになると、おそらくどの指導者もチームのウィークポイントをいろんな手で消してくるでしょう。そういった意味ではディフェンスに加えて、走って点数を取るというトランジションのバスケットを追求して、その形を見せることが必要になります。これは大濠としての一つの課題でもあります。そのバスケットができた時に、冬のチャンピオンが見えてくるんじゃないかなと思います。

「判断の中に自分のファンダメンタルを活用していく」

──片峯さんが考える『理想のチーム像』はどんなものですか?

私はディフェンスを主に考えた上でゲームプランを構築していくタイプです。それに付随してどう攻めて何点取るかという計算で練習を組み立てるし、ゲームもそういう観点から入ります。固いディフェンス、それからアグレッブなディフェンス。私はどちらも大事だと思っています。そういったディフェンスから、ハーフコートバスケットではなくてトランジションにつなげられるようなバスケが私の追い求める理想ですね。

──それはこれまでの大濠のバスケットとは少々異なると思います。

そうですね。実際、私が現役の頃にはオフェンスが8から9、ディフェンスが1か2のバスケをやっていました。そこはある意味、田中(國明)先生から私が学び、継承している部分なんですけど、そこは各選手のオフェンス能力が高いチームでのみ許される戦い方だと思います。

しかし現状を見てみると、インサイドに留学生がいたりして、運動能力や身体能力で常に一番というわけにはいきません。そこでオフェンスばかりになってしまうとゲームで計算違いが出てきてしまう。そういった意味で堅実なディフェンスがあって、そこに田中先生が築いた大濠のオフェンスを作っていくのが新しい大濠のスタイルであり、私が追求するスタイルなんです。

──そのスタイルが固まるまでに、何かに影響を受けたチームや人物はいますか?

韓国代表のイ・サンボムヘッドコーチですね。ディフェンスのところはかなり勉強させてもらいました。オフェンスのスクリーンの掛け方やタイミングを教わりながら、それをどう40分間の中に落としていけるか。そこは2年くらい勉強させていただきました。

──韓国と日本では前提となる身体能力が違いますが、どういう点がマッチしたんですか?

ノーマルなマンツーマンもしますけど、相手を惑わす、相手に考えさせるようなディフェンスをたくさん持っているところです。それから、日本人が海外の選手と戦う時にはどうしてもペイントエリアを支配できることが少ないので、アウトサイドでズレを作る、ノーマークを作るという方法を学びました。

ウチには190cm前後の選手がいるので、ヨーロッパのバスケットを学ぶべきだと思います。表現が難しいのですが、ヨーロッパの選手を見ていると『判断の中に自分のファンダメンタルを活用していく』のを感じます。まずきちんと状況判断をして、ファンダメンタルを必要な方法、確実なやり方でやるから精度が高い。そういったところを選手にも学んでほしいです。