ベンドラメ礼生

「この時間はレオに任せると言われるように」

サンロッカーズ渋谷はここまで26勝13敗と大きく勝ち越し、東地区4位ながらチャンピオンシップ進出が現実的な目標となっている。

今シーズンのSR渋谷はタイムシェアを徹底することでハードワークを40分間続けるスタイルで成功を収めている。全員バスケを掲げているとはいえ、選手間の序列は当然存在し、ベンドラメ礼生は日本人選手で唯一プレータイムが平均20分を超えている。ベンドラメも「責任を感じています」と話し、エースの気概を見せる。

「もっと試合に出たいと思う選手がベンチにいる中で、僕はプレータイムを多くもらっているので。コートに出た時の責任感は強いですし、ボールをリングに入れることに対しての気持ちは誰よりも強いです」

ベンドラメの持ち味は平均2桁得点を記録する得点力で、リングへのアタックは相手にとって脅威だ。また、平均4.8アシストと、ドライブだけはなくパスをさばく技術も持ち合わせている。だがフィールドゴール成功率は昨シーズンから約5%低下し、思うようにフィニッシュが決まらないことに歯がゆさを感じている。

「僕の中では難しいシュートだとは思っていないんですけど、外してしまえばタフに見えるシュートが多く、無理なシュートで相手にボールが渡るという映り方になってしまうので」

もちろん簡単なことではないが、よりフィニッシュに安定感が増せば、エースとしての立ち位置は不動のものとなる。「自信がないわけじゃないですけど、そこを決めないとヘッドコーチを悩ませてしまう。そこを決めきれることでチームからの信頼も得れるし、この時間はレオに任せると言われるようにそこで結果を出さないといけないです」

ベンドラメ礼生

「ここを乗り越えた時にもうワンステップ成長できる」

天皇杯を制し日本一の称号を得たSR渋谷だが、直近の10試合は6勝4敗と思うように勝ち星が伸びていない。激戦の東地区で首位のアルバルク東京を4ゲーム差で追いかけ、勝率66.7%の数字を残している点は素晴らしいが、「もちろん、これで満足はしてないです」とベンドラメも言う。

「これから東地区との試合が多くなる中で、他地区との試合を落とすことは痛いです。勝率が下だからとかじゃなく、そういう試合を落としているようじゃ同地区との試合で接戦になった時に勝ち切れないと思うので」

横浜との初戦は最大で16点のリードを奪いながらも逆転負けを喫した。そこで隙を見せず、リードを拡大できるチームが真に強いチームなのだろう。ベンドラメも「ここを乗り越えた時にチームがもうワンステップ成長できる」と語り、東地区のライバルたちを意識しているという。

「宇都宮(ブレックス)だったらこうしてくるとか、アルバルク(東京)だったらもっとここでプレッシャーをかけてくるかもしれないとか、東地区をイメージしています」

そして、ベンドラメは「優勝する自分たちの姿をイメージすることも大事だと思うし、常にチャンピオンのイメージを持っています」と言う。

『思考は現実化する』という言葉があるように、確かな信念を持つことは大事だ。ベンドラメはチャンピオンシップ出場ではなく、その先を見据えている。激戦の東地区で上位を狙うには、アジアカップ予選のチャイニーズタイペイ戦でも一定の結果を残したベンドラメの力が必要なのだ。