「ウチのゾーンを相手が嫌がっている」
先週末、大阪エヴェッサは横浜ビー・コルセアーズと対戦し1勝1敗で終えた。第1戦は終盤で猛攻を見せるも70-75で競り負けたが、第2戦では延長までもつれる接戦を92-85で制している。
同じ接戦でも競り負けた初戦と競り勝った第2戦、その違いを橋本拓哉は「ディフェンスにあった」と言う。第1戦では横浜のレジナルド・ベクトンに31得点を許したが、第2戦では19得点に抑えた。「まずはベクトンのところを止めることを意識しました。今日もやられはしましたけど、彼にボールを集中させずにさばかせて、自分たちもローテーションをしっかりしたディフェンスを、ミーティングの通りできたことが勝因です」
その第2戦、後半に巻き返すことができたきっかけはゾーンディフェンスで横浜のインサイドを封じたことだ。これで横浜のリズムは狂い、前半に当たっていた3ポイントシュートも入らなくなった。
前々節の宇都宮ブレックス戦でも大阪のゾーンディフェンスは効き目があり、「ウチのゾーンを相手が嫌がっていると感じます。この間の宇都宮も本当に嫌がっていましたし、今日もしっかりハマりました」と、橋本も手応えを感じている。
それでも「僕はあのゾーンは結構ギャンブル的だと思っているんです。1人がミスするとどこかしらにワイドオープンができてしまうので、そこはシーズン後半戦にどんどん突き詰めていきたいです」と意気込む。
「激しさが今までとは一番違う、勝ち星が多いので楽しい」
今シーズンの大阪は天日謙作ヘッドコーチの下で『走るバスケット』を行っている。橋本自身も今のスタイルは「自分がコーナーに走って、パスをもらってシュートという簡単な話で、やりやすいですね」と話す。
「伊藤(達哉)に中村(浩陸)とプッシュできる選手がいるので、そういう意味では僕らが走って中のスペースを開けることを意識しています。ウイングがコーナーまで走る、これは夏から徹底してやっていることで、第1戦の試合映像を見たら4、5回ウイングが走っていないシーンがあったんです。今朝のミーティングでもその話があがって、それぐらい全員が走る意識が高くなってきています」
橋本はこの試合で13得点を記録した。特に勝負どころでドライブからの得点や3ポイントシュートを決め、チームに勢いを与えた働きは効果的だった。延長戦での橋本は3ポイントシュートでファウルをもらい3本すべてのフリースローを沈め、横浜を突き放した。
勝負どころや敵地での大ブーイングの中でもシュートを決めきることができる要因を橋本はこう話す。
「練習が自信に繋がっている部分はあります。僕は数じゃなくてどういうシチュエーションでシューティングをするかということを意識しています。スクリーンを使って動きながらのシュートという練習をずっとやっているので、ワイドオープンは外す気はしないですね」
大阪は現在23勝11敗で西地区首位を走り、「今までのエヴェッサは何か覇気がない感じがありましたけど、今シーズンはディフェンスもオフェンスも激しさが今までとは一番違いますし、勝ち星が多いので楽しいです」と、チームのポジティブな変化を感じながら戦っている。
このまま西地区首位でチャンピオンシップ進出を決めるためにも、チームの要となりつつある橋本のさらなる成長が鍵になってくる。
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