シーズン序盤の苦戦から脱却中、『ジェッツの秘蔵っ子』原修太は守備で周囲にエナジーを与えられる選手を目指す

2017/11/12
Bリーグ&国内
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文・写真=鈴木栄一

先発出場を告げられ「最初は冗談かと」

11月11日、千葉ジェッツはホームでアルバルク東京と対戦。この試合の前まで開幕12勝1敗とスタートダッシュに成功した難敵相手に序盤からリードを奪うと、そのまま95-59と余裕の勝利を収めた。この圧勝劇をもたらした大きな要因は、第1クォーターでいきなり15得点を挙げてチームに勢いを与えた富樫勇樹を筆頭に、100得点まであと一歩に迫ったオフェンス面であった。

それでも千葉の大野篤史ヘッドコーチは、「自分たちのやりたいディフェンスから良い形でオフェンスに移ることができました」と、守備がうまく機能したことをまずは勝因に挙げる。その上で、富樫の出だしの得点量産を称えるとともに、「原のレベルの高い激しいディフェンスが、チームに好影響を与えた」と、今シーズン初の先発出場となった原修太の貢献にも触れた。

この試合の前まで、今シーズンの原はプレータイムがなかなか伸びなかった。特に前節、11月5日の栃木ブレックス戦ではわずか5分の出場時間に終わっていた。それだけに、本人も前日練習の終わりに先発起用を告げられた時は「最初は冗談かなと思いました」と驚いたそうだ。

だが、「オフェンスどうこうよりも、まずはディフェンスに集中する。中でも最初の5分が大事だと思っていました。ディフェンスでチームにエナジーを与えていきたいと思っていました」と振り返るプレーで、指揮官の期待に応えて勝利に貢献した。

開幕への準備が整わずに苦しんだ序盤戦

昨シーズン、ルーキーだった原は序盤戦でケガによる戦線離脱を余儀なくされるが、復帰後はフィジカルの強さを生かしたタフなディフェンス、思い切りの良い3ポイントシュートを武器に徐々にプレータイムを増やしていた。そしてシーズン終了後には、フリオ・ラマス体制の初陣であったアジアカップに向けた24名の日本代表候補に選出されるなど、2年目の飛躍が楽しみな存在となっていた。

だが、ユニバーシアード出場でチームへの合流が開幕直前に遅れた影響もあって、コンディションが上がらない。さらに進化を目指しての新たなチャレンジがうまくいかないこともあって調子を崩し、ここまで昨シーズンの後半に比べて出番を減らす不本意な状況となっていた。

この原の状況について、大野ヘッドコーチは「一生懸命プレーし、常にハードワークをしてくれる選手です。昨シーズンはそれをやり続けてくれ、ハードワークがスタンダードになってきました。そこでもう少しシンクハード(Think Hard)、考えてプレーすることを求めました。それが多分、僕のアプローチのミスで、悩んでしまいました」と見ていた。

だが、「そこから整理させて自分ができることに集中して、やり続けるしかないことを話してスタートで起用しました」と、今回の大一番で先発へと抜擢。この判断がうまくはまったことはチームにとって、そして原にとっても大きいものだった。

「プレータイムをどんどん伸ばしていきたい」

原自身は、昨シーズンからの変化について次のように考えている。「去年はルーキーながらケガで出遅れたことで、復帰してやれることと言ったら相手のエースシューターをずっとマークして抑えること。それだけをやっていれば良かったと言いますか、その他の部分については大野さんも目をつぶっていてくれた部分がありました。それが今シーズンを迎えるにあたり、大野さんから状況判断が課題と言われました。それは自分でも感じていて、ハードにプレーすることをスタンダードにし、そこにプラスで状況判断が良くなればもっと良い選手になれる。大野さんの下でそこを成長させていきたいです」

プレータイムが少ないことに「焦りがなくはなかった」と語るも、一方で「課題ができていないのに、試合に出させてもらっていたら、課題にも気づけていなかった。チームは日本代表、経験豊富なベテランなどすごい選手たちばかりです。自分に求められることができないと試合に出られないのは、良い意味でプレッシャーです」と冷静に受け止めている。

それだけに「個人として20分間ずっと気を緩めずにプレーできてチームが勝利したのはうれしいです」と、この試合をこれからに向けての弾みにすることを誓う。「個人としては今日みたいにエナジーをもたらしたいです。得点、シュート確率などスタッツについてはあまり気にしていなくて、それよりもプレータイムが20分近くで、チームが試合に勝てれば貢献しているといえる。プレータイムをどんどん伸ばしていきたいです」

190cm台の大型ガードを相手にしても、フィジカルコンタクトで負けない強さを持った原が今回のようなプレーを継続して出せるようになると、千葉の志向する堅いディフェンスはより完成に近づく。リーグ屈指の選手層を誇るチームにあって、原がこれからどれだけ存在感を高めていけるのか、興味深く見ていきたい。