ディアンジェロ・ラッセル

3ポイントシュート重視の戦術に合うガードが必要

2月6日のトレードデッドラインが近づく中、ティンバーウルブズが動いた。ガードのジェフ・ティーグとトレイビオン・グラハムをホークスに放出し、アレン・クラブを獲得。積極的なガーソン・ロサス球団社長の下、ウルブズはさらなる補強に動くと見られる。

ティンバーウルブズは得点能力に長けたシューターとボールさばきが上手いパサー、異なるタイプのガードを探している。昨シーズンから指揮を執るヘッドコーチのライアン・サンダースの下、3ポイントシュートを多投するオフェンスを構築している。実際、3ポイントシュートの試投数はリーグ3位と多いが、成功率は29位と低調。また3ポイントシュートの試投数も成功率もチームトップはビッグマンのカール・アンソニー・タウンズで、後に続くのもアンドリュー・ウィギンズやロバート・コビントンといったフォワード陣。3ポイントシュートを重視しているのにガード陣の得点が伸びない。

エースシューターを担うことのできる戦力が必要なのは明らかだが、優れたシューターを獲得するのはそう簡単ではない。そんな状況でウルブズが狙うのがディアンジェロ・ラッセルだ。今シーズン24試合の出場で平均23.3得点とスコアラーとして非常に能力が高く、自ら3ポイントシュートを打つことも、そのチャンスを演出することもできる。また、タウンズとは旧知の間柄で、一緒にプレーする機会は前向きに受け止めるだろう。

今シーズンからウォリアーズでプレーするラッセルだが、その立場は微妙なものだ。直近のナゲッツ戦、ラッセルは6本の3ポイントシュート成功を含む19得点、9アシストとオフェンスを引っ張ったが、チームは延長の末に敗れている。彼自身が活躍してもチームが勝てないのでは、エースとしての役割を果たしたとは見なされない。ステフィン・カリーとクレイ・トンプソンが復帰すればセカンドユニットに回ることになるはずで、彼にとってベストな状況とはならない。このナゲッツ戦に敗れて9勝33敗とリーグ最下位に沈んだウォリアーズとしては、このタイミングでラッセルの放出も検討しているはず。

ウルブズは選手育成に力を入れるチームではあるが、もう一つ上のレベルに上がるにはラッセルのようなタレントの補強が必要だろう。今のチーム作りを推進しながらも、移籍市場で切り札となる人材を探していくことになりそうだ。