カイル・クーズマ

シックスマン起用で本来の力を発揮できず

レイカーズはカイル・クーズマへのトレードの提案を聞き入れる状態にあると噂されている。ロブ・ペリンカGMは積極的に移籍先を探しているわけではないが、交渉の窓口は開いている。

これまで『ヤングコア』の中心選手として、将来のレイカーズを支える存在と見なされていたが、今シーズンはレブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビスの両エースを支える役割に回った。だが、それは機能しているとは言い難い。シックスマンとしてプレーし、平均11.8得点、3.5リバウンドという数字を残しているが、いずれも昨シーズンを下回っている。出場時間は昨シーズンより10分近く短くなっているのだから無理もない。

入団2年目で18.7得点、5.5リバウンドをマークしたクーズマへの評価は高く、トレード要員としての利用価値も高い。

クーズマの個人成績は伸びないが、チームは現在29勝7敗で東カンファレンスの首位に立っている。レブロンとデイビスを中心にタイトルを狙うチームには、そもそも若手選手を起用する余裕はほとんどない。クーズマの代わりに経験豊富で計算できる即戦力を獲得しようとするのも理解できる。

ただ、トレードはそう簡単にはまとまりそうにない。クーズマは今年の夏に契約延長の権利を得るが、レイカーズは難しい判断を迫られそうだ。デイビス加入前の昨年の成績を評価するのか、加入後の今年の成績を評価するのかで査定が大きく変わる。フリーエージェントとなる2021年の夏まで待って再契約する選択肢もある。

昨シーズンはチーム成績こそ振るわなかったが、クーズマは中心的な役割を果たしていた。しかし、今年は補強で一気に優勝候補になり、その中で新しい役割に適応しなければならない。入団3年目の若い選手にとっては少々荷が重いのではないだろうか。元チームメートで現在ペリカンズのブランドン・イングラムはフランチャイズの顔となっているし、ケガがちだったロンゾ・ボールも存在感を示している。レイカーズに一人残ったのは才能を認められたからだが、クーズマ自身は複雑な心境に違いない。

レイカーズがクーズマをシックスマンとして残し成長させるのか、それともトレードでチャンピオンシップ奪還に必要な選手を補強するのか、2月6日のトレード期限までその動向から目が離せそうにない。