「走って流れを変えないといけない」
ウインターカップ大会5日間、男子準々決勝で東山(京都)が報徳学園(兵庫)と対戦。終盤までもつれる激闘を72−68で制している。
試合は両チームが堅実なディフェンスでロースコアの展開となる。それでも36-28と東山がリードして後半に入ると、両チームともに走る展開が増えてテンポが上がっていく。それでも終盤、報徳学園は宇都宮陸、コンゴロー・ディビッドがスティールからそのまま持ち込む連続速攻を決め、40−48から怒涛の連続11得点で逆転に成功した。
報徳の2点リードでスタートした第4クォーターは、一進一退の攻防で推移していく。しかし、62-62で迎えた残り4分から東山は、司令塔の米須玲音が、「今大会はリバウンドから速攻を出せない試合が続いていました。今回は絶対に走って流れを変えないといけないと、みんな意識してできました」と振り返るように、ここ一番でトラジションに持ち込んで連続得点。こうして報徳学園を振り切った。
これで東山は、明日のベスト4で連覇を目指す福岡第一と対戦する。今年に入って両チームは、インターハイで福岡第一が勝利するも、10月の交換大会では東山がリベンジ。優勝候補筆頭の福岡第一に対抗できる一番手として東山を推す声も少なくなく、注目のビッグマッチとなる。
準決勝は福岡第一と「絶対に勝ちたい」
ともに爆発的なオフェンス力を持つが、東山の大澤徹也コーチは走り合いによるハイスコアリングゲームに持ち込む気はないと語る。「ウチはハーフコートのバスケットで勝負したい。その中でチャンスを見て走ることを練習してきました。それで相手のお株を奪うようなブレイクを何本か出せれば、プレッシャーをかけられます。福岡第一さんの得意なことを消して行く。良い部分をさせないバスケットをやっていきたい」
そして指揮官は「今日の米須を見ていたら河村君と面白いバスケットをしてくれると思います」と、福岡第一の河村勇輝と米須とのポイントガード対決に大きな期待を寄せている。
その米須は、河村とのマッチアップについて「意識しすぎるとプレーがうまく行かないので、そこは気をつけたいです」と語る。米須は2年生だが河村は3年生であることから「最後の対決となるので、絶対に勝ちたいです」と意気込む。
米須が東山を勝利に導くには、ハーフコートオフェンスをいかに展開できるかが重要。そこで大切なのは、この試合でも見せたように外角シュートを効果的に決めることだ。「3ポイントシュートはこれまで得意ではありませんでした。これまでピックからのオフェンスで引いて守られると、そこで外のシュートを打てなくて時間がなくなりタフショットになったことが何回かありました。それがこの試合では、競った場面で3ポイントシュートを決められたのは大きな成果でうれしかったです」
明日の試合でも、米須が今日のようなパフォーマンスを見せることができれば東山にも勝機が生まれてくるはずだ。福岡第一と東山の一戦は、明日の15時20分にティップオフとなる。