今夏の日本代表に不在だった『生粋のスコアラー』金丸晃輔が代表復帰「自分自身の持ち味のシュートを出す」

2017/10/19
日本代表
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文=丸山素行 写真=鈴木栄一

シュートチャンスが生まれて「やりやすい」

今週行われた強化合宿には、ケガが重なりしばらくAKATSUKI FIVEから遠ざかっていた金丸晃輔の元気な姿があった。今年2月に行われたイランとの国際強化試合には出場したが、その後のアジア選手権へと続く夏の一連の代表活動には参加していない。この夏の日本代表にはシュートもパスもドライブもできるオールラウンダーが多かった。その一方で金丸のようなシュート力に特化したスコアラーがおらず、「この場面で金丸がいたら」と思わざるを得ないシーンが何度もあった。

ただ、金丸自身は代表の難しさを決して軽視しない。「テレビで見てるのとその場でやってるのとは全然違いますからね。やれそうだなって思ってた時もありましたけど、いざ代表に入ってやってみるとフィジカルが強いし、見てたのと全然違います。それが分かっているので『俺ならやれる』とは思わなかったです」

それでも、金丸はワールドカップ1次予選の開始を前に代表に戻って来た。久々の代表復帰について金丸は「複雑ですけど、何回もケガで辞退していたのにまた呼んでもらえるのはありがたい」と話す。

もちろん、フリオ・ラマスの指導を受けるのは初めて。その金丸はラマスのバスケットを「やりやすい」と歓迎する。「2番、3番を生かしてくれる印象でした。シューターには動いて動いてスクリーンを使って、ずっと動くようなオフェンスなので、僕からしたらシュートチャンスがすごく生まれてきます。キツいですけど、やりやすいと言えばやりやすいです」

金丸に求められるのはやはり得点力だ。昨シーズンのBリーグでは平均16.7得点と、13.4得点の川村卓也と城宝匡史に大差を付けて日本人トップ。今シーズンもここまで6試合で14.2得点と好調を維持している。「今は24人が選ばれて、そこから最終的に12人という形なので、まずその12人に入るためには何をすればいいのかを考えています。それは自分自身の持ち味のシュートを出すことだと思っているので、そこを意識してやっていきます」

「タフショットだと思われたみたいです」

ラマスコーチのバスケットを「やりやすい」と表現した金丸だが、やはり慣れるまでには時間がかかる。ハーフコートバスケット主体のシーホース三河の選手が代表に来ると必ず直面する問題。久々の代表で、金丸はその課題と向き合わなければならない。「代表はトランジションの流れの中でいろんなフォーメーションを使うので、まずそれに慣れることが最優先です。三河だったらだいたいハーフコートのフォーメーションなので」

それ以外にももう一つ、今回の合宿で戸惑うことがあった。それはどんな態勢からでも軽々とシュートを決める彼だからこその問題だ。「三河だと入る入らないは別にして、フォーメーションのものはだいたい全部フィニッシュに行くんです。ここでもそんな感じでやっていたら、タフショットだと思われたみたいです。もう一回外にボールを出してまたアタックするとか、僕が動くことによって周りもそれに合わせて準備してるからそこを見てあげるべきだと指摘されました」

金丸はキャッチ&シュートの名手であり、さらにはステップバックでマークをかわして打つなど多彩なシュートバリエーションを持つ。見てる者にとってはタフショットに映るものでも、金丸にとっては自然なシュートなこともある。そういった見え方のズレに金丸は戸惑っている。

「僕はそのタイプなので分からなかったんです。『今のダメなの?』って。だから今日のスクリメージとかもあまり強引に行かなかったんです。いつもやっているステップバックとか、やっていいのか迷ってました。ここは行っていいのか、もう一回外に出して作るのか、そこの判断を見極めるのが難しいです」

もっとイージーなシュートを打たせたい指揮官と、これがイージーなシュートだと思っている金丸のズレ。それを解消しないまま思い切りの良いシュートが打てなくなっては意味がない。そのため、これからの合宿では互いの理解を深める必要がある。

久々の代表に「乗り遅れた感じはあります」と苦笑い

久々の合宿を総括して金丸は「僕が代表から離れている期間でこういうバスケットをやってたんだなっていう、乗り遅れた感じっていうのは少しあります」と苦笑いを浮かべた。それでも表情には金丸らしい余裕が感じられた。

代表レースは始まったばかり、これから合宿を重ねて12名に絞り込んでいく。今はフォーメーションの違いやシュートセレクションの誤解が生じているが、この問題さえクリアできれば、生粋のシューターである金丸は不可欠な戦力として代表生き残りを果たすはずだ。