写真=Getty Images

2016-17 55勝27敗 西3位/プレーオフ準決勝敗退
FG成功率 46.2%(リーグ12位)
3ポイントシュート成功率 35.7%(リーグ15位)
平均得点115.3(リーグ2位)
平均失点109.6(リーグ26位)

打倒ウォリアーズを果たすために大改革を実施

指揮官マイク・ダントーニの方針によって、 昨シーズンにシューティングガードからポイントガードへコンバートされたジェームズ・ハーデンは、高いアシスト能力を生かしプレーメークの才能が開花。ハーデンは29.1得点、11.2アシスト、8.1リバウンドとトリプルダブル級のスタッツを残し、初のアシスト王に輝いた。

ダントーニが得意とするラン&ガンをハーデンが体現したチームは、昨シーズンの3ポイントシュート成功数でNBA記録となる年間1181本をマークするなど、リーグトップクラスのオフェンス力を武器に躍進を遂げた。だがプレーオフでは王者ウォリアーズの牙城を崩すことができず、西カンファレンス準決勝で1勝もできないままスウィープされてしまった。

今のままではウォリアーズには勝てない。優勝を狙うすべてのクラブがそう考えたように、ロケッツも今オフに大きな決断を下した。昨シーズンの主力だったパトリック・ベバリーを含む7選手と交換で、リーグNo.1の正統派ポイントガード、クリス・ポールを獲得する大勝負に出たのだ。ポールをポイントガードに置き、ハーデンをシューティングガードに戻す。その周囲に腕利きのシューターを据える布陣で、昨シーズンを上回るオフェンスを目指す。

トレバー・アリーザはディフェンスに長け、得点も2桁は計算できるオールラウンダー。ライアン・アンダーソンはストレッチ4としての存在を確固たるものとし、昨シーズンの3ポイントシュートの成功率は40%を超えた。クリント・カペラはまだ技術は乏しいものの、センターとしては機動力があり力強さも年々上昇中。彼らは皆、ハーデンとポールに生かされることで昨シーズン以上の存在感を見せるはずだ。

また、セカンドユニットの選手層も厚い。昨シーズン平均16.2得点を記録しシックスマン賞を受賞したエリック・ゴードンだけではなく、クリッパーズで先発を務めていたルーク・バー・モーテや、ラプターズでベンチから貴重な働きをしたPJ・タッカーが加入。今夏チームと再契約を結んだセンターのネネも平均2桁の得点が見込め、機動力を生かすロケッツのチームスタイルで光を放つ。

課題はディフェンスの改善だ。昨シーズンの1試合平均失点はリーグ26位の109.6を記録した。新加入のポールは守備でもトップクラスの実力を持つため、彼がリードする形でディフェンス面の向上が見られれば最高のシナリオとなる。ウォリアーズの対抗馬としてのポテンシャルは十分。10月18日の開幕戦では早速、ウォリアーズを1点差で破って最高のスタートを切っている。新生ロケッツは果たしてどんなシーズンを送るだろうか。