「最初のパスでシュートを打つことはないね」
ブルズはここまで6勝14敗と、今シーズンも負けが先行。数多くの問題を抱えているが、その一つは先発センターを務めるウェンデル・カーターJr.のオフェンスでの使い方だろう。
カーターJr.のオフェンスでの役割は非常に限られている。まずはゴール下での身体の強さを生かした得点。あとはピック&ロールでのスクリーン、ドリブルをしてボールを味方に手渡す、フリーな選手へのパスなど、どれも味方を生かそうとする役割だ。
カーターJr.がオフェンスをリードし、積極的にシュートを打つシーンはほとんど見られない。ここまで1試合平均12.7得点、9.7リバウンド、フィールドゴール成功率は56.9%だが、シュート全体のうちジャンプショットは3割ほどしかない。
対戦相手はカーターJr.がペイントの外からシュートを打たないことをスカウティングで理解しており、フリーでボールを持っていてもチェックには行かない。彼が自ら打たない選択をしているのか、コーチとジャンプショットを改善している最中であるのかは不明であるが、相手が出てこないのであればいくらかでもシュートを打つ姿勢は必要なのではないか。
『The Athletic』にそう質問されたカーターJr.は次のように答えている。
「パスの方が得点の可能性がより高いショットを見つけられる気がする。僕がワイドオープンでパスを受ける時は、オフェンスの最初のパスのことが多い。インサイド・アウトのプレーなら、一度ボールがペイントに入ってからのほうがシュートの成功率が高くなる。だから最初のパスでシュートを打ったりしないのさ。もし僕がシューターだったとしても、最初のパスで打つことは絶対ないね」
負けが先行しているとはいえ、まだシーズンは序盤戦。ブルズにもまだまだプレーオフの可能性が残っている。もしカーターJr.がワイドオープンのジャンプショットを打ち、それなりの確率で決められるようになれば、相手はディフェンスを再考する必要が出てくる。当然、ブルズのオフェンスも流れが良くなるはずだ。
Wendell runs the floor and gets rewarded for it:@nbcschicago | #RunWithUs pic.twitter.com/bhqxzbomSF
— Chicago Bulls (@chicagobulls) November 24, 2019