コービーに続き2人目の『クラブに20年を捧げる選手』に
マーベリックスで20年目を迎えるダーク・ノビツキーは、キャリアを通じてNBAの変化を目の当たりにしてきた。
ドレスコードの導入、ロックアウト、グローバル化を含め、様々な変化を目にしてきたノビツキーは、コービー・ブライアントに次いでNBA史上2人目となる1チームに20年在籍した選手になろうとしている。昨今NBAを含むプロスポーツでは、引退するまで一つのチームに留まるアスリートは極めて稀だ。
2、30年前と比べてスポーツ市場は拡大され、バスケットボール、サッカー、テニス、ゴルフなどはグローバル化の路線を突き進んでいる。そういう現代においては、コービーやノビツキーのように球団に対し忠誠を誓う美学は時代遅れなのかもしれない。
ノビツキー自身も、NBAの変化について『SiriusXM Radio』でのインタビューでこう語った。「今のNBAが昔と比べて異なるのは分かっているよ。今は大金を稼ぐことと優勝が重要視されている。チームへの忠誠よりもね」
ノビツキーは、優勝するためにスーパースターたちが集結する現代の傾向を批判しているわけではない。ただ、最近の変化についてシンプルに言及しただけだ。
高額契約を勝ち取り、優勝という最高の栄誉を求める行動は、NBAの知名度と人気が高まった現代において大半の選手たちが欲するもの。短いキャリアでどれだけ稼げるかは、引退後の人生設計にもかかわってくる。
2007年、セルティックスにポール・ピアース、ケビン・ガーネット、レイ・アレンが集まり『ビッグ3』時代に突入後、2010年にはレブロン・ジェームズ、ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュがヒートに集結して『スリーキングス』が結成された。2016年にはケビン・デュラントがウォリアーズに移籍し、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンとの『スーパーチーム』が誕生し、圧倒的な強さで昨シーズンを制した。
このような変化は、良し悪しではなく時代の流れから自然に発生した傾向でしかない。一つのチームへの忠誠を貫くことは美学だが、消えゆく遺物になりつつある。