多嶋朝飛

「自分たちができている部分も見えてはいます」

前節、レバンガ北海道は敵地で宇都宮ブレックスに連敗を喫した。攻守両面でのプレーの強度、戦術の遂行度で宇都宮との差を感じさせられた連敗だったが、11月10日の第2戦では前半は相手を圧倒し、チームバスケットが噛み合えば宇都宮が相手でも互角に渡り合えることを示しており、悔しい逆転負けの中にも収穫のある試合だった。

ポイントガードとしてゲームを組み立てた多嶋朝飛は、前半の戦いぶりを「チームとしての強度、チーム全体の連動も含めて、戦う気持ちもあってやるべきことを徹底でき、自分たちの良いバスケットができたと思います」と評価する。

それでも45-32とリードしながら後半に逆転された試合展開と、そこでの課題をこう振り返る。「40分を通して自分たちが遂行できているかと言うと、まだまだできていない。自分たちの良い時間帯もあれば相手の良い時間帯もある中で、どれだけ我慢して勝ちに持ってこれるか。ここはチーム全体の意識としてやりきれていない部分がたくさんあると思います」

では、多嶋が言う『やりきる部分』とは具体的に何なのか。「どのメンバーでどの組み合わせで出ても、チームとして遂行できるようにしないといけない。今日のゲームもそうですけど、難しい場面で自分たちがすがるのは、ディフェンスの強度なのか、チームルールの徹底なのか。そこはもっと高めていかないといけないと感じました」

例として挙げたのは、ディフェンスから走り、オフェンスを遂行する中での日本人選手の得点だ。「ウチは外国籍の2人に偏る部分が多くて、何もしなくても点数を取ってはくれる、ある程度のことはやってくれます。それ以外のところでチームとしての作り方。僕自身、『じゃあどうぞ』と日本人選手にやらせても、そんなに簡単にはいかないです。そこはチームの助け、全員の動きがあってシュートが生まれます。そういった部分がまだウチは完成されたチームではないので、もっともっと練習も含めて良い準備をしていければと思います」

「ディフェンスの強度、チームルールの徹底、アタックする気持ち。それをチーム全員で40分間持ち続けなければいけない。今日は20分はできたと思うので、残りの20分です。本当に強いチームに勝つには、こういったところを我慢して継続して、積み重ねていかないと勝てないので。もちろん勝てなかったから悔しいんですけど、自分たちができている部分も今日の試合に関しては見えてはいます。そこを続けていくというところに繋げていきたい」

多嶋朝飛

「出し切ってまとまって、初めて勝ちが見えてくる」

これで北海道は通算成績を7勝7敗とした。激戦の東地区では最下位となっているが、新加入選手も多い中で迎えた開幕から勝率5割キープは悪くないスタートだ。ただし、今回の宇都宮を始め強豪が揃う東地区における成績は1勝5敗。優勝候補と呼ばれるチームを相手にどう勝っていくかが課題となりそうだが、多嶋は「このBリーグでは勝敗の高い低いはありますけど、1試合も簡単なゲームはなくて、どのチームも1勝を勝ち取るのにすごく必死です。それをどれだけ積み上げていけるか」と、これを否定する。

「もちろん東地区との対戦はタフなゲームになることが多いので大事になってくるとは思います。ですけど、1勝を勝ち取ることでは、東地区だから他地区だからと自分たちが変わることはないし、自分たちは今まで何かを残したわけでもないので、毎試合毎試合しっかりチャレンジする気持ちを持った中で、これをやると決めたことをどれだけ続けられるかが重要です」

「やっぱり、40分間で自分たちのバスケットをどれだけ貫き通せるか。前半が良くて勝てるんだったらいいですけど、そういうわけにはいかないです。40分間我慢してやりきることが、まだまだ自分たちはできていないと思います。プレータイムが長いとか短いとか関係なく、出ている全員が本当に全部出し切って、チームとしてまとまって、初めて勝ちが見えてきます。今日はできている部分もあったので、みんな良い感覚は持っていると思います。自分たちがダメな時にそこにもう一回立ち戻ろうというのが見えてはいる。あとはベンチも含めてチームで支え合って、いかにその時間帯を我慢できるかですね」

今週末には千葉ジェッツとの対戦が控えている。「まだ長いシーズンが続く中で、チーム全員がもっとステップアップして戦っていかなくてはいけないので、今の7勝7敗という勝敗も関係なく、来週の千葉との試合をどう戦うのか、自分たちが何をコート上で見せなければいけないのかを準備して臨んでいければと思います」