「リーダーシップもコーチから求められている」
新潟アルビレックスBBは、敵地でサンロッカーズ渋谷に72-83で敗れた。敗れはしたものの、第2クォーターでは最大8点のリードをする場面もあり、その立役者となったのが森井健太だ。
積極的にドライブで攻めて、SR渋谷のディフェンスを翻弄し、アップテンポなバスケットを展開した。「SR渋谷の激しいディフェンスに対して、逃げに回っちゃうとダメだと思っていたので、どんどん割ってドライブしていくことは、試合前から意識していました。敗れはしましたが、今日はアタックして、そこからさばけていた部分は良かったんじゃないかなと思います」
森井が言うように、果敢に攻めることでディフェンスを引き寄せて、味方のシュートチャンスを作り、このクォーターだけで4アシストを記録。今シーズンの森井は平均4.2アシストで、昨シーズンの平均2.7アシストを大きく上回っている。その理由を「積極性が増した」からだと森井は話す。
「今シーズンが始まる前に、アップテンポなバスケットを目指そうとチームで掲げて、そのスタイルに自分がマッチしている部分もあります。得点には表れていないんですが、リングにアタックする回数は昨シーズンよりも増えているんです。そうすることで、ディフェンスも寄ってくるようになってきていて。なので、アシストを意識しているというよりは、積極性が増した分、アシスト数にも繋がっているんじゃないかなと思います」
「最後を任されるガードになりたい」
新潟のポイントガードには、五十嵐圭や柏木真介といった経験豊富なベテランがいる。その中でプレータイムを伸ばしていくには、森井自身も「自分の色を出さないといけない」と話し、「自分の良さが出ている時間帯はチームにもプラスになっている」と自信をのぞかせた。
「僕の強みは、ハードなディフェンスで相手のリズムを崩すこと。あとはボールをしっかりプッシュして早い展開から良い場面を作ることです。そこは僕の強みですし、これからも自信を持ってやっていきたいです」
若い選手が経験を積んで自信を持ってプレーをすることは、チームの成長には欠かせない。「今村(佳太)や僕のように、今チャンスをもらっている選手がチームを引っ張って、結果を残さないといけない。今シーズンはリーダーシップの部分もコーチから求められています。僕はポイントガードで副キャプテンもさせてもらっているので、リーダーシップに関しては自分自身もすごく意識しています」
それでもチームには年上の選手も多く、リーダーシップを発揮することは言葉以上に難しいものがあるはずだ。
「先輩方もいろんな経験からアドバイスをくれて、それをどんどん取り入れています。でも、自分の色も出さないといけないですし、難しい部分はあります。自分の成長のためにも、まずは声掛けだったり、背中で見せるディフェンスという部分を意識してやっています」と、自分にできることから実行している。
そして最後に「ヘッドコーチからもチームメートからも最後を任されるようなガードになれるように、自分の力で勝ち取っていきたい」と力強く語った。
森井がリーダーシップをコート内外で発揮して、今以上にチームからの信頼を得ることができれば、新潟はチームとしても、もう1ステップ成長できるはずだ。チームは開幕5連敗と苦しいスタートを切ったが、徐々に勝ち星も増え、前節では今シーズン初となる連勝も成し遂げた。
第1戦では好調な時間を維持することができなかったが、今日の試合では課題を修正して若い選手たちが積極的にチームを引っ張る姿に期待したい。