ディアンジェロ・ラッセル

ウィギンズがクラッチタイムに大活躍、ウルブズ快勝

ディアンジェロ・ラッセルのウォリアーズ加入が決まった際、『3人目のスプラッシュ』との期待を寄せられたが、開幕から数週間で彼は一人でチームのオフェンスを引っ張ることになった。足首を痛めて3試合を欠場していたラッセルの復帰に合わせ、チームも彼の得意なピック&ロールを多用するようオフェンスを修正。これが絶大な効果を見せ、ラッセルはキャリアハイとなる52得点を挙げた。視野が広くアンセルフィッシュな特長も発揮して9アシストを記録。スタッツだけでなく内容でもキャリアハイという出来だったが、チームは119-125で敗れた。

第4クォーター残り29秒、ラッセルがカール・アンソニー・タウンズをステップバックでかわして放ったミドルシュートをねじ込んで110-106に。すでにこれまでのキャリアハイ44得点を上回る45得点目、これで勝利は決まったかと思われたが、そうではなかった。タイムアウト明けにフリースローで2点をすぐ返され、時間を使いたいポゼッションでボールを失う。ここでアンドリュー・ウィギンズに簡単に突破されてレイアップを決められ、試合は延長戦に。選手層の薄いウォリアーズにもう戦う力は残っていなかった。

ウォリアーズから逆転で勝利を挙げるとともにラッセルからスターの座を奪ったのはウィギンズだった。45分のプレーで40得点。指揮官ライアン・サンダースは「彼ほどハングリーなヤツはいない。ウチには40点すべてが必要だったから助かった」と独特な表現でその働きを称えた。

ウォリアーズの指揮官スティーブ・カーは「我々が主導権を握っていた試合なのに、自分たちで転んでしまった。選手はみんなハードに戦い、勝利に値していたと思う」と悔しがった。

一方でラッセルは、若い選手たちが自信を失わないためにも前向きにこう話している。「自分の手にボールがあれば何でもできるという気持ちだった。そのたびに良いプレーを作り出そうとしているし、幸運にもシュートは決まっていた。ゲームを作っていたのは僕らだった。NBAではこういうことは起こり得るものだよ」

これでチームは2勝7敗。悔しい負けだがチームは4日で敵地3試合を戦うロード中で、ミネアポリスからオクラホマシティへと移動して翌日にサンダーと戦う。文字通り「下を向いている暇はない」状況、ラッセルにはコート外でも若い選手たちを引っ張るリーダーシップが求められる。