後半になると速いパス回しからズレを作って点差を広げる
シーホース三河がホームのウィングアリーナ刈谷に富山グラウジーズを迎えた水曜ナイトゲーム。両者ともにここまで負けが続いていたが、三河が勝利して連敗を2で止めた。
前半は拮抗した戦いが続く。三河はディフェンスでしっかりとヘルプに入り、スイッチもスムーズに行うことで、富山のキックアウトからの得点を簡単には決めさせない。オフェンスでは富山のマッチアップゾーンに苦戦し、インサイドを攻めあぐねるが、逆にインサイドにディフェンスを引き付けることで、アウトサイドからの得点を増やしていく。
対する富山は三河のインサイドを封じ、ディフェンスリバウンドから速いバスケットに持ち込み、アウトナンバーを作って得点を重ねた。
一進一退の戦いが続くが、前半ラスト1分で川村卓也と加藤寿一による連続3ポイントシュートが決まった三河が38-32と抜け出した。
後半、三河は長野誠史を中心に速いバスケットを展開。前半はあまりボールが動いていなかったが、後半になると速いパス回しからズレを作って富山のゾーンを崩していく。前半ではシュートタッチが悪く無得点だった金丸晃輔の3ポイントシュートも決まり、開始3分で47-35と点差を10点に広げた。
「チーム全員がハードに最後まで冷静にプレーできた」
65-51で迎えた最終クォーター、ここまで速いバスケットからリズムを作っていた三河に疲れが見え始める。それを機に富山が反撃に転じる。積極的なドライブ、インサイドを使った攻めでファウルを誘い、三河を締め上げる。
それでも、三河は展開の速いバスケットを継続して得点を重ねることでリードを保つ。さらにこのクォーターでは得点が停滞したダバンテ・ガードナーに変わり、クリス・オトゥーレがポジショニングをしっかり取ることで、ポストプレーからの得点を稼いだ。
ファウルがかさんだが、アグレッシブなディフェンスを貫いた三河が、全員守備を徹底してリードを守り切り、82-66の完勝を収めた。
勝利した鈴木貴美一ヘッドコーチは「選手がやるべきことをやってくれて、相手をしっかり守ることができた」とディフェンスの遂行力の高さが勝因と振り返った。
18得点10リバウンド5アシストを記録したガードナーも「チーム全員がハードに最後まで冷静にプレーできた」と試合後に話した。そして、「ディフェンスと、リードした時にそのリードをキープすることを意識していた」と言う。得点こそは前節のような爆発的な数字ではないが、フィールドゴール8本中7本成功、フリースローも4本中3本成功と、確実に得点を重ねていくことでリードを保った。
オフェンス力に長けた豪華なメンバーを揃えながら、バランスの悪さも目立った三河のシーズン序盤だが、ここに来てディフェンスでも良いプレーが出て攻守が噛み合ってきたのは収穫。次節は敵地でのアルバルク東京戦。チームの成熟度が問われる連戦となる。
10月23日のB1 9試合の結果
北海道63-78A東京
秋田77-96千葉
SR渋谷81-91宇都宮
横浜91-85新潟
三河82-66富山
京都75-78島根
大阪73-79名古屋D
滋賀76-78琉球
川崎94-87三遠
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