力強くオフェンスを牽引した笹山、序盤で大差
大阪エヴェッサがおおきにアリーナ舞洲に名古屋ダイヤモンドドルフィンズを迎えた西地区対決。思い切りの良いバスケットを貫いた名古屋Dに対し、大阪は立ち上がりの悪さが響き、追い上げ及ばず73-79で敗れた。
大阪はケガで3試合を欠場した伊藤達哉が復帰したもののベンチスタート。今野翔太と合田怜のバックコートがゲームを組み立てるも、これが機能しない。ガード陣のゲームメークよりも全体の動きの重さ、ディフェンスの軽さが原因。ピック&ロールから簡単にズレを作られ、あっさりとオープンのシュートを打たれてしまう。開始から4分半で笹山貴哉に8得点1アシストと大暴れを許してタイムアウトを取り、早々に伊藤を投入するも、その伊藤のチェックをモノともせず笹山に3ポイントシュートをねじ込まれて突き放され、第1クォーターで7-27と大差を付けられた。
しかし名古屋Dはターンオーバーがあっても思い切り良くプレーすることを重視するチームで、この若さが第2クォーターに災いする。ガード陣を伊藤と長谷川智也としてプレッシャーをかけると名古屋Dはターンオーバーを連発。試合後に笹山が「大量リードで気持ちの緩みが出てしまった」という自滅に助けられ、大阪が息を吹き返す。
大阪はシュートタッチ好調のリチャード・ヘンドリックスにボールを集めつつ、相手のターンオーバーから思い切り良く速攻に転じ、15-0のランで一気に追い上げて32-38で前半を終える。後半にも勢いは落とさず、開始3分半で長谷川が得点を10に乗せる3ポイントシュートをねじ込み43-42とついに逆転に成功した。
長谷川智也、3ポイントシュート5本成功で追い上げ
ただ、名古屋Dもここから踏ん張る。流れの悪い中で張本天傑、安藤周人の日本代表コンビが立て続けに3ポイントシュートを決めて再び逆転。第4クォーターは点の取り合いになったが、この勝負どころで集中を高め、第3クォーターまで18あったターンオーバーを0に抑え、大阪にイージーなチャンスを与えなくなった。
大阪はケガ明けの伊藤を結局は30分以上引っ張り、その伊藤が『走るバスケ』を演出しつつ11アシストの活躍。点差を2桁にされてもあきらめずに走り続け、残り1分で長谷川がこの試合5本目となる3ポイントシュートを決めて73-78と名古屋Dに肉薄する。
しかし、この時点で大阪のチームファウルは5で、これ以上激しく当たることができなかった。これを逆手に取った笹山が時計を進め、アイラ・ブラウンのブロックショットから始まる大阪のオフェンスにも隙を見せずにタフショットを打たせる。結局、6点差で名古屋Dが逃げ切った。
名古屋Dは大黒柱のジャスティン・バーレルを欠いた5試合で3勝2敗と勝ち越し。笹山が4試合連続の2桁得点、ゲームハイの21得点を挙げるとともに、試合の立ち上がりと締めの両方でチームに流れをもたらす見事な司令塔ぶりを見せた。試合後には「今日はシュートタッチも良く、思い切り攻めようという気持ちでした。これを続けられるように頑張りたい」と語っている。
大阪は敗れたしたものの、伊藤が入ることで『走るバスケ』が機能することが確認でき、シューターの長谷川と橋本拓哉が激しいディフェンスから走ってシュートに持ち込む形もできていた。その一方で攻守に欠かせないアイラ・ブラウンが連戦の影響か動きが重かったにもかかわらず34分プレーしており、彼の調子が上がらない時にどう戦うかは今後の課題となる。
10月23日のB1 9試合の結果
北海道63-78A東京
秋田77-96千葉
SR渋谷81-91宇都宮
横浜91-85新潟
三河82-66富山
京都75-78島根
大阪73-79名古屋D
滋賀76-78琉球
川崎94-87三遠
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